パリ五輪の射撃で「無課金おじさん」として注目されたユスフ・ディケチ(51)=トルコ=が4日、都内の日本ライフル射撃協会や、五輪ミュージアムを訪問した。 松丸喜一郎会長の説明に耳を傾けながら、柔道女子の阿部詩(パーク24)、卓球女子の早田ひ…

 パリ五輪の射撃で「無課金おじさん」として注目されたユスフ・ディケチ(51)=トルコ=が4日、都内の日本ライフル射撃協会や、五輪ミュージアムを訪問した。

 松丸喜一郎会長の説明に耳を傾けながら、柔道女子の阿部詩(パーク24)、卓球女子の早田ひな(日本生命)らのユニホームなどが展示された施設を見学。射撃が体験できるシミュレーションゲームでは、驚異の命中率で高得点をたたき出し、報道陣を驚かせた。

 また“無課金おじさん”の訪問とあって、ファンから写真撮影やサインが殺到したが、全てに笑顔で対応。自身に影響を受けて射撃を始めたという少年には「君は未来のチャンピオンだ」などと声をかけ、“神対応”した。

 約1時間じっくり施設を見学し、その後に取材対応。「とてもすてきなミュージアム。若者にとって目標と、やる気を出させる最初の1歩となる場所」と振り返った。

 ディケチは日本ライフル射撃協会の招待を受け、3日に来日。この日の午前中は娘のために、サンリオの人気キャラクター・クロミのグッズを購入し、すしを食べたという。「東京五輪はパンデミック(コロナ禍)の時で観光はできなかった。今回は観光もすることができて、とても楽しい」と笑顔を見せた。

 8日まで滞在予定で、今後は強化指定選手への特別講習会や、栃木県で開催される日本とトルコの親善試合に出場する。

 ◆無課金おじさんとは 射撃の試合では、射撃用サングラスや、破裂音から耳を守るイヤーマフなどの専門的な装備を身につけることが一般的だが、ディケチはTシャツ、メガネ、耳栓だけのシンプルな姿でパリ五輪に出場。混合エアピストルでは、銀メダルを獲得した。他選手との服装のギャップが世界で話題となり、オンラインゲームで装備に課金しないことに例え、日本では「無課金おじさん」の愛称が付けられた。