広島・坂倉将吾捕手(26)が2日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、2500万増の年俸1億5000万円でサインした。前半戦は苦しんだがチーム最多の12本塁打。ただ先発マスクは昨季の102試合から64試合に減少した。11月…
広島・坂倉将吾捕手(26)が2日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、2500万増の年俸1億5000万円でサインした。前半戦は苦しんだがチーム最多の12本塁打。ただ先発マスクは昨季の102試合から64試合に減少した。11月末に右肘を手術したが、開幕に照準を合わせる考え。来季は捕手としての全試合先発出場を目標に掲げた。(金額は推定)
もがき、苦しみながら長丁場のペナントレースを全力で駆け抜けた。全ての経験を、必ず糧にしていく。坂倉の表情からは、そんな熱い意気込みが感じられた。「しっかり評価してもらえた」と増額提示に納得顔。その上で「チームでは一番(先発マスクを)かぶれたけど、去年よりは出場機会が減っている。もう一度、しっかり頑張れるように」と気合を入れた。
先発出場の内訳は捕手が64試合で、一塁が49試合。昨季は捕手として102試合に先発出場しており、出番を減らした。来季の先発マスクのノルマは「143(試合)」と1987年の達川光男以来、球団捕手2人目の偉業を目指す。その根底には主力選手としての自覚と責任がある。
前半戦は打率・203、4本塁打、18打点と不振にあえぐも、球宴明けから盛り返し、最終的に・279、12本塁打、44打点で8年目の今季を終えた。結果が伴わない春先でも、新井監督は「『逃がさないよ』という気持ち」と復調を信じて起用を続けていた。
グラウンドに立ち、現状打開に向けて試行錯誤を重ねた日々は、自身の成長につながった。「苦しさもあったし、出る責任も感じた。僕が出ることによって出られない選手が出てくるのは相当な責任になってくる。やっぱり、それなりの行動、結果が求められる。そういうことを身をもって経験できたなと。より一層、責任感を持ってやりたい」。歯を食いしばって来季に挑む覚悟を胸に刻んだ。
その来季に向け、11月28日には右肘のクリーニング手術を受けた。「痛み自体は出たり出なかったりで、そこまで深刻なものではなかった」と説明。「しっかり調整して、いい開幕を迎えられたら」と照準を定めた。オフはリハビリと並行して「そういう数値が上がっていかないと、ヒットになる確率、長打になる確率は上がっていかない」とスイングスピードと打球速度のアップを図る。
先月は侍ジャパンの一員としてプレミア12の準優勝に貢献。ベストナインにも選出された。「すごく勉強になったし、学ぶことが多かった」と向上心をかきたてられた。「チームとして、2年連続で優勝の目の前まで来ている。そこで勝ちきれるようにチームとして頑張りたい」と坂倉。正妻の座を1年間守り抜き、カープを支えていく。
◆カープ捕手のシーズン全試合出場 1987年、達川光男が全130試合出場を果たしたのが唯一。しかもすべて先発だった(途中交代はあり)。“出場率”では2004年石原慶幸の138試合中135試合(途中出場含む、先発マスクは128試合)が87年達川に次いでいる。