阪神・藤川球児新監督(44)が2日、来春の沖縄キャンプに糸井嘉男SA(43)=デイリースポーツ評論家=を臨時コーチとして招聘(しょうへい)することを明かした。近大の後輩である佐藤輝明内野手(25)への指導はもちろん、チームには現役時代に一…
阪神・藤川球児新監督(44)が2日、来春の沖縄キャンプに糸井嘉男SA(43)=デイリースポーツ評論家=を臨時コーチとして招聘(しょうへい)することを明かした。近大の後輩である佐藤輝明内野手(25)への指導はもちろん、チームには現役時代に一緒にプレーした選手も多く、新任の小谷野打撃チーフコーチ、1軍担当となった上本打撃コーチとの橋渡し役としても期待は大きい。超人がV奪回を目指す藤川新体制の一翼を担う。
“超人”がキャンプ臨時コーチとして来春、沖縄に戻ってくる。2022年限りでタテジマを脱いでから本格指導するのは初。藤川新監督は打撃部門を任せる考えで、糸井SAの指導力と存在感に期待を膨らませる。
「小谷野とは日本ハムでもオリックスでも一緒にやっているんで。そういう部分で、佐藤へのアプローチとか、一番心が通じ合うような糸井と佐藤なんでね」
藤川監督が期待するのは選手と打撃コーチの橋渡し役。新体制となって小谷野打撃チーフコーチが就任。上本打撃コーチは1軍担当となった。糸井SAは現役時代に小谷野コーチと計11年間プレーし、気心が知れている。上本コーチも共に戦った仲で、糸井SAは適任と言える。
もちろん、佐藤輝の覚醒を促すという意味でも期待は大きい。佐藤輝が阪神に入団してから近大の先輩として成長を温かく見守り続け、引退後も交流は続いている。佐藤輝だけでなく、大山、近本ら現役時代に一緒にプレーした選手はチームに多く在籍。さらに森下ら若手の潜在能力をさらに引き出す可能性もある。
「SAという仕事なんで。僕も(球団本部付SAとしてキャンプに)来てましたけど、精神的なところで心が通じ合う選手は他にもいるだろうし。糸井が一番分かっている選手が多いので、いい意味でSAに来てもらうかなと思っています」
藤川監督も糸井氏とは親交が深く、野球に取り組む姿勢に一目置いている。今秋キャンプのテーマを「没頭」に決めたのも糸井SAがきっかけだった。今秋、食事の席で30歳を超えて秋季キャンプに参加した翌年にタイトルを獲得したという秘話を聞き「それだけ集中している選手がいたんだと思った」と感銘を受けたことを明かしていた。
今季は貧打に泣き、得点力アップは来季の課題でもある。球団本部付SA時代の藤川監督がブルペンで助言を送ったように、糸井SAが打撃ケージからアドバイスする場面もあるかもしれない。指揮官は「どうでしょうね。その時が来れば分かるかな」と笑い、「何のために呼んでいるかというのは、その後に答えが残るので」と続けた。
常人離れしたパワーはまだまだ健在。V奪回へ糸井SAの力を借り、強力打線を作り上げる。