日本バレーボール協会は2日、男子日本代表の新監督に就任内定したロラン・ティリ氏がオンライン会見を行った。2021年の東京五輪で母国のフランスを五輪初の金メダルに導いた名将は、2028年ロサンゼルス五輪に向け「表彰台を目指していきたい」と掲…

 日本バレーボール協会は2日、男子日本代表の新監督に就任内定したロラン・ティリ氏がオンライン会見を行った。2021年の東京五輪で母国のフランスを五輪初の金メダルに導いた名将は、2028年ロサンゼルス五輪に向け「表彰台を目指していきたい」と掲げた。

 男子日本代表は、フランス人のフィリップ・ブラン前監督が率いた今夏のパリ五輪では、準々決勝で強豪・イタリアにフルセットで競り負け、目標のメダルには届かぬ2大会連続での8強だった。ティリ氏は「全試合を見ていた。日本は優れたチームだったし、チームスピリット(団結)は顕著だった。パリにおいては五輪という特別な場でのストレスが選手間にも広がっていたと思う。運命を変えたイタリア戦は、マッチポイントを握るところまでいったが、その先の1歩が踏めずに残念な結果。今回のパリ五輪では選手らが過酷な現実を受け止めなければいけなかったが、ロスに向けて必要な経験であった」と、うなずいた。

 ロス五輪では、1972年ミュンヘン大会金メダル以来、56年ぶりのメダル獲得を目指す。「フィジカル面のデータを変えるのは難しい。(各国は)高身長のチームをそろえているので、身体面の差をどう埋めたらいいか把握して、取り組まないといけない」とした上で「これまで8年間にわたり、日本は発展してきた。近年ではネーションズリーグ、アジア大会で成績を収めた。ミラクルは起こせるものではないけど、この路線を継承してさらに高みを目指したい。経験豊富な選手、若い力も考えていくが、チームとして話し合いを重ねながら進める。大事なのは体力、メンタル、技術をそれぞれ評価しながら進めたい」と見据えた。

 ◇ロラン・ティリ 1963年12月1日、フランス出身。61歳。フランス代表で406試合に出場。欧州選手権で2度のメダル獲得。五輪は88年ソウル、92年バルセロナ大会出場。2005、06年にチェコ代表監督を務め、12年からフランス代表監督。五輪は16年リオから2大会連続で指揮を執り、21年東京大会金メダル。20年からパナソニック(現大阪B)監督。