静岡県ゆかりのウインタースポーツの日本代表戦士が、本格シーズンを迎える。30日に中国で開幕するスノーボードアルペンW杯第1戦に22年北京五輪代表の三木つばき(日体大3年)=浜松いわた信用金庫、掛川桜が丘中出=が出場する。  スノボの202…

 静岡県ゆかりのウインタースポーツの日本代表戦士が、本格シーズンを迎える。30日に中国で開幕するスノーボードアルペンW杯第1戦に22年北京五輪代表の三木つばき(日体大3年)=浜松いわた信用金庫、掛川桜が丘中出=が出場する。

  スノボの2024―25年シーズンが、いよいよ始まる。昨季W杯2勝をマークし、さらなる飛躍が期待される三木が、W杯第1戦を前にして臨戦態勢を整えた。「短い期間だったけど、質を求めて思い通りの練習はできました」。22年北京五輪以来となる中国国内の公式戦で今季のスタートを切る。

 例年は12月中旬に始まるW杯の開幕戦。今季は2週間ほど早くシーズンが始まるため、9月にはニュージーランドで一週間の短期合宿を敢行した。「基礎的な練習ができた」。国内では筋トレ中心に体力強化を図り、「体重が3キロ増えた」と、手応えをつかんでいる。

 本格的な雪上練習に入るため先月1日に渡欧。昨季は温暖化による雪不足で練習会場の確保が難しかった反省から、今回はまずフランスの室内で2週間のトレーニングを消化した。その後、当初はスウェーデンに渡る予定だったが、雪不足から拠点をオーストリアに変更し、3週間ほど滑り込んだ。ビザの関係で11月上旬に一時帰国。13日に開幕戦が行われる中国に入った。「本番に向けて課題のフロントサイドのターンを意識して練習しています」。滑りの精度を高めている。

 18―19年シーズンに初参戦してから7季目。19年のオーストリアで行われたW杯デビュー戦では、予選1本目の3旗門目で転倒。顎から出血し、救急テントの中で2本目を滑る選手を泣きながら見つめていた中学3年生が着実に力をつけた。21―22年シーズンにはW杯で初V。昨季は2勝を含めてW杯で6度のベスト4入りを果たし、トップ選手の仲間入りを果たした。

 今季は連覇の懸かる世界選手権が来年3月にスイスで行われる。前回23年にジョージアで行われた大回転で、男女を含めてアルペン競技で日本人初Vの快挙を達成。今回は五輪2連覇中で、前回の世界選手権は欠場したエステル・レデツカ(チェコ)らと争う。今季目標に「世界選手権連覇」と「W杯ベスト4進出率70%」を掲げた三木。26年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪での金メダル獲得に向けて、W杯開幕戦から強豪たちに実力を見せつける。

(塩沢 武士)

 ◆三木 つばき(みき・つばき)2003年6月1日、長野・北安曇郡白馬村生まれ。21歳。5歳の時、掛川市へ転居した。4歳でスノボを始め、中2でナショナルチーム、強化指定ユース選手に選出された。22年の北京五輪では予選3位で決勝進出。トーナメント1回戦で転倒して敗れた。173センチ。家族は両親と妹。