◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ 第1日(28日、東京よみうりCC=7002ヤード、パー70) 昨年の賞金王で2年連続3度目出場の中島啓太(24)=フリー=が8バーディー、3ボギーの5アンダー、…
◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ 第1日(28日、東京よみうりCC=7002ヤード、パー70)
昨年の賞金王で2年連続3度目出場の中島啓太(24)=フリー=が8バーディー、3ボギーの5アンダー、65をマーク。大会史上6人目の2年連続で初日単独首位発進を決めた。今季は欧州ツアーを主戦場とし、国内は3試合目の参戦。大のG党で、巨人軍前監督の原辰徳氏(66)から4月に色紙とともに贈られた言葉「夢進」を胸に、今季ラストゲームで通算5勝目となる国内メジャー初制覇を目指す。
欧州帰りの昨季賞金王が、リーダーボードを駆け上がった。第1組スタートの中島はまっさらなコースで気持ち良さそうに回った。前半は圧巻の5バーディー。ショットは本調子ではなかったが改修された6番パー5で、グリーン右手前のラフからの3打目を1メートルに寄せて3つ目のバーディー。8番パー3はチップインで伸ばした。
「悪いショットが運良くベタピンについたりもあったが、フロントナインは良かった」。後半に3ボギーを喫したが、15番から3連続バーディーを奪い、巻き返した。16番では残り147ヤードからウェッジでピンそば1メートルにピタリ。「3つのボギーを引きずっていなかった。うまく切り替えることができ、自信を持って打てた」とうなずいた。
コースの名物ホール、最終18番パー3。グリーン左からの第2打を傾斜を使ってピンそばに寄せ、パーでしのぎ「最後はほとんど(ボギーでと)諦めていたが、すごく良いアプローチで予想以上の結果になった」と表情を緩ませた。65で11、12年大会の藤田寛之以来、大会6人目の2年連続の初日首位発進。1打差2位と惜敗した昨年に続く、スタートダッシュに成功した。
今季は欧州ツアーを主戦場とし、国内での試合は10月の日本オープン(6位)以来、3戦目。3月に挙げた欧州ツアー初優勝の資格で出場し、賞金ランク63位からの大会Vとなれば、73年のツアー制施行後最も低いランクからの優勝となる。
4月。G党の中島にとって貴重な機会に恵まれた。共通の知人がいる縁で原前監督とラウンド、食事を共にした。「和と動」「道」「夢進」という3枚の色紙を授かり、自宅のトレーニング室に飾った。中でも「夢進という言葉が一番、心に刺さった。『若いうちにどんどんチャレンジして進んでいったらいい』と言っていただいた」。普段から結果を気に掛けてくれる原氏の言葉を胸に刻んだ。
今年はパリ五輪(49位)にも出場したが腰を痛めた時期もあり、苦しんだ。「明日(29日)はスタートが遅いので、朝しっかり調整したい。良いスコアを出して、週末、会場を盛り上げていけるように」と今大会の頂点だけを目指す。(岩原 正幸)
◆中島 啓太(なかじま・けいた)2000年6月24日、埼玉・加須(かぞ)市生まれ。24歳。日体大卒。6歳でゴルフを始め、東京・代々木高3年時の18年にオーストラリアアマチュア選手権で日本人初V。18年アジア大会個人&団体金。21年アジア太平洋アマ選手権を制し、22年マスターズ出場。21年9月のパナソニックオープンで日本ツアー5人目のアマ優勝。22年9月にプロ転向し、23年日本ツアー賞金王。今年3月、欧州ツアーのヒーロー・インディアンオープンで初優勝。パリ五輪代表。国内通算4勝。177センチ、75キロ。