「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」は24日の決勝で日本を下した台湾の優勝で幕を閉じた。なぜ、台湾は侍ジャパンを倒す快進撃を見せたのか。日本代表合宿から台湾でも取材を行うと、台湾の本気度が感じられた。現地で感じた“熱…
「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」は24日の決勝で日本を下した台湾の優勝で幕を閉じた。なぜ、台湾は侍ジャパンを倒す快進撃を見せたのか。日本代表合宿から台湾でも取材を行うと、台湾の本気度が感じられた。現地で感じた“熱”を伝える。
台湾到着初日から野球熱に驚かされた。空港の駅は野球のユニホームを着た人であふれ、駅員も台北ドームへの案内が中心。「中山駅へ行きたい」と伝えると、少し残念そうにされた。その日は日本戦がなく、台北ドームで1次リーグの台湾とドミニカ共和国の一戦。応援はすごいと聞いていたが、街からも盛り上がりは感じた。
飲食店や携帯ショップのテレビにはプレミア12が映し出され、台湾人は興味津々。ホテルでは野球の取材に来たと伝えると、「日本も台湾も応援するね」と歓迎された。地元の人と野球の話になると、大谷翔平の名前が挙がり、高い関心が見て取れた。
振り返れば、宮崎での日本代表合宿に台湾のスカウトが訪問。取材を試みたが、「ミーティングがあるんだ」と口を閉ざされた。2次リーグの東京ドームは日本戦でも空席が目立ったが、台湾は連日の満員。母国開催を盛り上げようと、コンビニでもプレミア12関連のキャンペーンが行われていた。
そして16日の1次リーグ・台湾戦。先発の才木は敵の応援を楽しみにしていたが「すごかった」と序盤は圧倒されたことを明かしている。森下も「日本の応援とは違うスタイル」と外野からではなく、内野席からの迫力に圧を感じたという。攻撃、守備問わずにMCのあおりから大合唱。点が入ると、2階の記者席は大きく揺れていた。
それでも、1、2次リーグでは侍ジャパンが連勝。台湾の野球ファンも「日本の方が強い」と口をそろえて言っていた。しかし、決勝では台湾が勝利して優勝。この快挙は大応援団の力なしでは達成できなかったに違いない。
帰国後は盛大な優勝セレモニーがあったというが、出国時にも空港では激励セレモニーを実施。1人の選手が丁寧にサインをしていたのも印象的だ。台湾野球だけではなく、台湾と香港出身の女性からは才木への手紙を渡された。これは台湾全体の野球熱が高まっている証しだろう。
台湾のプロ野球では元阪神の平野恵一氏が中信兄弟の監督を務め、前任者も元阪神の林威助氏だった。日本野球とも深い縁がある。台湾プロ野球はMLB、NPBに続く人気と言われているが、今後も台湾が国際大会の台風の目になるかもしれない。