ロッテのドラフト3位・東洋大の一條力真投手(21)が25日、埼玉県川越市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金6000万円、年俸1000万円(金額は推定)で仮契約を結んだ。ドラフト指名から、少しずつ現実味を帯びてくるプロ入りに「これまで、実感が…

ロッテのドラフト3位・東洋大の一條力真投手(21)が25日、埼玉県川越市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金6000万円、年俸1000万円(金額は推定)で仮契約を結んだ。ドラフト指名から、少しずつ現実味を帯びてくるプロ入りに「これまで、実感が湧かなかったんですけど、今日やっとロッテの一員になったんだな、という気持ちが沸いてきました」と、笑顔を見せた。

入団交渉の席では榎康弘アマスカウトディレクターに「1年目から勝負して、将来的にはブルペンの軸、後ろを任せてもらえる選手になってくれると期待しています」と、声をかけられ「リリーフとして防御率0点台を目指して、1年目は新人王をとりたい」と、明確な目標を口にした。

身長189センチから投げ下ろす最速153キロの角度のある真っすぐとフォークが武器。常総学院では先発も、大学ではリリーフとして起用され、チームの守護神として今秋は東都大学リーグ2部優勝に、入れ替え戦では1部昇格に貢献した。「僅差の場面や後ろで投げることが多く、いい緊張感をもって冷静に投げられるようになったと思います」と、メンタルの強さには自信がある。今年51試合に登板し、2勝2敗5セーブ27ホールドを挙げリリーフとして活躍した左腕、鈴木昭汰投手(26)は高校の先輩。「高校時代に1度お会いしただけなので、まずはあいさつをして一緒にやっていけたら」と、期待した。

ロッテのお菓子とは意外な縁がある。常総学院では毎週末、保護者が炊き出しを行っている。選手たちにとっては、温かい母の味が、唯一の楽しみ。その食事に添えられていたのが、「パイの実」や「コアラのマーチ」だった。「一番好きだったのは油淋鶏。食後のお菓子も楽しみでした」。そんな家族の支えもあり、高校時代は体重も入学時の67キロから85キロに増え、球速アップにもつながった。「今一番感謝したいのは両親です」と一條。ロッテのお菓子とともに成長した右腕が、これからプロの世界で飛躍する。【保坂淑子】