大相撲九州場所で、大関琴桜(27)が初優勝を果たした。松戸市出身で、隣町の柏市にある柏相撲少年団で相撲の基礎を学んだ。地元から祝福の声が上がった。 琴桜を指導した少年団の永井明慶代表(42)は千秋楽の24日、福岡に駆け付けた。「調子が良く…
大相撲九州場所で、大関琴桜(27)が初優勝を果たした。松戸市出身で、隣町の柏市にある柏相撲少年団で相撲の基礎を学んだ。地元から祝福の声が上がった。
琴桜を指導した少年団の永井明慶代表(42)は千秋楽の24日、福岡に駆け付けた。「調子が良く土俵入りも気合が入っている顔をしていた」
2歳から相撲を始めた琴桜は、小学校に入った頃に入団。当時から「僕、お相撲さんになる」と口にしていた。体格が良く、特に手が長かった。「魅力的な相撲取りになる」と思ったが、性格は優しく、ほんわりとした雰囲気。小さな対戦相手を気遣って、寄り倒しできずに負けてしまうなど、厳しくできない面もあったという。
それが埼玉栄中学・高校に進学してからは、厳しい顔つきになり始めた。「『今のままじゃ駄目だ』と思ったようです」
来年1月の初場所に横綱昇進をかける。永井さんは、横綱照ノ富士をどう攻略するかがポイントとみる。「自分より体の大きい横綱を破らなくては横綱になれない。心の充実が、今回の優勝につながった。私はできると思います」とエールを送った。
柏相撲少年団は、終盤まで優勝を争った隆の勝ら複数の幕内力士が輩出。永井さんは高校教諭時代、琴桜と優勝を争った豊昇龍も指導した。「夢心地でした」とも語った。
松戸市役所では25日、初優勝を祝う横断幕が掲げられた。本郷谷健次市長は「毎場所苦しみながらも強くなろうと相撲に打ち込んでいる姿にいつも感動しています」とのコメントを発表した。市役所を訪れた無職山崎友子さん(87)は、長く地元の佐渡ケ嶽部屋の力士を応援してきた。「琴桜も毎日、テレビやラジオで応援してきた。土俵では厳しい表情だが普段はかわいいところがいい」と笑顔。「腰の強さを生かして、次は横綱になってほしい」と期待していた。(斎藤茂洋、北上田剛)