27年ぶり2度目の優勝を果たした横浜の選手たちは、神宮球場のマウンドで喜び合った。25日にあった第55回記念明治神宮野球大会・高校の部の決勝。序盤に得点を重ね、1年生投手が好投し、中国地区代表の広島商を下した。大会ではいずれも接戦を制し、…

 27年ぶり2度目の優勝を果たした横浜の選手たちは、神宮球場のマウンドで喜び合った。25日にあった第55回記念明治神宮野球大会・高校の部の決勝。序盤に得点を重ね、1年生投手が好投し、中国地区代表の広島商を下した。大会ではいずれも接戦を制し、全国の頂点に立った。

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 2点リードで迎えた二回裏1死一、二塁。主将の阿部葉太(2年)に打順が回った。初めは「最低限、走者を進めよう」と思ったが、それだけではだめだと改めた。「チームを勢いづけるような1本を出さなければ」

 外角高めのスライダーを振り抜くと、打球は左中間を破り、走者2人が生還した。

 1年時からスタメンで活躍し、今夏は2年生ながら主将を任された。しかし、夏の神奈川大会では2年連続で決勝で敗れた。「優勝に対し、自分たちで勝手に壁をつくってしまっていた」

 神宮大会の決勝では、気負わずに目の前のプレーに集中するよう伝えてきた。七回表、複数のエラーで2点を失った後には、「これじゃ夏と一緒だ。できることを一個ずつやろう」と声をかけ、序盤のリードを守り抜いた。

 前回の優勝は、松坂大輔らがいたチームで、公式戦44連勝という記録を残している。「偉大な先輩たち以来の優勝は名誉なこと」と感慨深げに語った。

 新チームの発足後、秋の県大会を第1章、関東大会を第2章、神宮大会を第3章と位置づけてきた。優勝という最高の形で締めくくったが、「明日から選抜に向けて頑張って、もう一度日本一を取りたい」と新たな章に向けて動き出そうとしている。(中嶋周平)