高校サッカーの強豪・神村学園を卒業後、Jリーグを経ずに欧州5大リーグのドイツ・ブンデスリーガに挑戦。今年1月、トップチームへの昇格を勝ち取った、リーグ優勝5回の実績を誇る名門ボルシアメンヘングラッドバッハ(以降、ボルシアMG)の福田師王。…
高校サッカーの強豪・神村学園を卒業後、Jリーグを経ずに欧州5大リーグのドイツ・ブンデスリーガに挑戦。今年1月、トップチームへの昇格を勝ち取った、リーグ優勝5回の実績を誇る名門ボルシアメンヘングラッドバッハ(以降、ボルシアMG)の福田師王。サッカー日本代表の「ラストピース」としても期待される20歳の大型フォワードに、『サッカー批評』では連載を依頼。サッカーから日常まで、福田師王のメンヘングラッドバッハでの日々を、語ってもらった!
■「結果を出そうと死に物狂いでした」
トップチームはセカンドチームとはまったく違います。本当に周りがみんなうまいので、パスが出て来るのはもちろん、連携もスムーズです。
だから、トップチームで試合に出たら、点を取れると思うんですよね。早くコンスタントに出られるようになって、活躍したいです。
昨シーズンはトップチームで5試合、途中出場しました。デビューしたのはアウェイのレバークーゼン(昨シーズン優勝)戦で、2度目の出場もアウェイのバイエルン(昨シーズン3位)戦でした。強豪チームとの試合で、モチベーションは高かったのですが、やはり途中からより、もう少し長い時間、試合に出たいですね。
それと、ホームではまだ出場がないので、早くホームの大歓声の中で「デビュー」して、点を取りたいです。
今季は9月28日、ホームでのウニオンベルリン戦でベンチには入りましたが、出場機会はありませんでした。後半のロスタイムが8分もあったので、「出してくれ~」って思っていたんですけどね。
やっぱり出られないのは悔しいです。今はもう、トップチームでベンチに入っただけで満足していられるという時期は過ぎたと思っています。これからは試合に出なくてはいけないし、出たら必ず点を決めたいです。
そのためには、どうするか。やっぱり、毎日やり続けるだけですよね。
監督には、出場している選手にアクシデントがあったときに交代で入ったら、点を決めてチャンスをものにしろって毎日のように、言われています。昨シーズンは、負けている状況のラスト5分での出場が多かったので、正直キツかったですが、チャンスをもらえたら「やれるんで、見とけよ、長く使えよ」って、心の中で念じています(笑)。
だから、プレシーズンマッチのフォルトゥナ・シッタート戦も、結果を出そうと死に物狂いでした(先制ゴールおよび、その後の2得点に絡む活躍で、3-1の勝利に貢献)。
■「チームから求められているのは…」
今シーズン、ボルシアMGには、同じブンデスリーガ1部ハイデンハイム(昨年8位)からフォワード、ティム・クラインディーンストが新加入した。昨シーズン12ゴール5アシストを記録し、今シーズンも10試合で6得点と好調をキープ(得点ランキング3位)。ついに、10月にはドイツ代表に初召集された、現在29歳の長身ストライカー(194センチ)である。
今季のボルシアMGは、昨季のサッカーとベースは変わりませんが、前線に関しては、攻撃のバリエーションが増えましたね。
昨シーズンまでは、ボールをたくさん前に蹴って、そのボールを前線で収めて、それから攻撃に移るというスタイルでしたけど、今シーズンはハイデンハイムからフォワード、ティム・クラインディーンストが新加入しました。彼は背後にも抜けられるし、クロスにも強い、サイド攻撃も得意ということもあって、チームとして攻撃の選択肢が増えましたね。
でも、僕自身、やることが変わるわけではありません。チームから求められているのは、ゴール前の仕掛けと得点です。そして、ボールを収める、ポストプレー。セオアネ監督は僕のウィークポイントを見抜いて、その部分を練習などで浮き彫りにして、フォワードの選手として成長させてくれているので、とてもありがたいですね。
出場できないのは悔しいですが、可能性はあるし、やり続けていれば必ずできると思っています。コウくん(板倉滉選手)が「チャンスがない中でも、フォワードはつねに結果(ゴール)を残すだけ、おまえならできるよ」って言ってくれているのも、自分の中で大きな支えになっています。
A代表のコウくんは、いつも意識が高いので、いろいろなことを学ばせてもらっています。近い将来、自分も一緒にA代表でプレーしたいですし、しなければならないと思っています。
コウくんは一緒にピッチに立ったら、絶対に点を決められるようなパスを出すと、話してくれていますし、信じて動き出したいと思います。できるだけ多くゴールを挙げたい。いま考えるのは、そのことばかりです。(構成/了戒美子 ※次回は12月2日(月)、朝5時30分、配信予定です)