J3いわてグルージャ盛岡(岩手)の今季最終戦での「キヅールによる花束贈呈」セレモニーが脚光を浴びた。 2009年に創立された岩手は、2014年からJ3に参入し、2022年にはJ2リーグを戦った経験を持つ。しかし、1年でJ3降格すると、今季…

 J3いわてグルージャ盛岡(岩手)の今季最終戦での「キヅールによる花束贈呈」セレモニーが脚光を浴びた。

 2009年に創立された岩手は、2014年からJ3に参入し、2022年にはJ2リーグを戦った経験を持つ。しかし、1年でJ3降格すると、今季は苦しい戦いで最下位低迷が続いて、来季のJFL降格が決まった。

 そして選手、サポーターの様々な思いが駆け巡る中、最終節が行われた本拠地いわぎんスタジアムの試合前、岩手MF加々美登生のJリーグ通算100試合記念セレモニーが行われ、そこでクラブマスコットのキヅールが花束贈呈の大役を任されたのだ。

 2017年に誕生し、折り鶴を擬人化した斬新な姿でJリーグのマスコット界を震撼させたキヅールには、大きな翼はあれど、花束を持つような手がない。だが、この日のキヅールはネクタイを締めた“正装姿”でスタジアムに姿を現わすと、セレモニーの際には胸の部分に段ボールで特別に作られたブーケホルダーをぶら下げ、大役をこなし切った。

 すると、このキヅールのシュールな姿にSNS上にはファンから次のようなコメントが寄せられた。

「キヅール、大砲付いたのか」
「キヅールさん手ないはず…どうやって花束渡したん?と思ったら、その手があったか!」
「キヅールからの花束贈呈めっちゃじわるwwww」
「キヅールかわよ♡♡ネクタイ似合うー」
「クラブが降格するという悲惨な状況ながら、こういうユーモアを示せることがグルージャの強みなのかもしれない。試練の時が続くと思うけど頑張れキヅール、頑張れグルージャ。」

■キヅールは「折れない心」の持ち主

 このセレモニーの様子を、岩手の公式エックス(旧ツイッター)は「大役を任されたキヅールはネクタイを締めてやる気に満ち溢れておりました」として写真付きで紹介した。そこにはネクタイ姿のキヅールの凛々しい姿、そして胸の前に特製ホルダーを着用した健気な姿が写っていた。

 このセレモニーの後にキックオフされた試合では1−4で敗れ、岩手は勝点22(5勝7分け26敗)で失意のシーズンを終えた。今年8月に就任した星川敬監督は来季も続投で「不退転の覚悟」で1年でのJ3復帰を誓っている。激動の1年も、キヅールは「折れない心」の持ち主とのこと。再びJリーグの舞台で、その勇姿を披露する日を、多くのファンが期待している。

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