大相撲九州場所で初優勝を飾った大関琴桜(27)=佐渡ケ嶽=が千秋楽から一夜明けた25日、福岡市東区の部屋で会見に臨んだ。念願の賜杯を手にした喜びを語ると、祖父で先代師匠の元横綱琴桜と同じ鳥取県出身の石破茂首相から届いた祝福メッセージに驚く…

 大相撲九州場所で初優勝を飾った大関琴桜(27)=佐渡ケ嶽=が千秋楽から一夜明けた25日、福岡市東区の部屋で会見に臨んだ。念願の賜杯を手にした喜びを語ると、祖父で先代師匠の元横綱琴桜と同じ鳥取県出身の石破茂首相から届いた祝福メッセージに驚く場面も。初めての綱とり場所となる来年初場所(1月12日初日、両国国技館)へ、決意を新たにした。

 まさかの祝福に、普段は冷静な大関も驚いた。会見の終盤、父で師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)のスマートフォンを手渡されると、画面を凝視した。「琴桜関の栄えある優勝を心よりお喜び申し上げますとともに、今後ますますのご活躍をお祈りいたしております」。つづられていたメッセージの送り主は「内閣総理大臣 石破茂」。琴桜は「ありがたいですね。本当にうれしく思います」と恐縮した。

 石破首相の父が、先代の後援会長を務めた縁があった。佐渡ケ嶽親方によると、琴桜も幼少期に石破氏と会ったことがあるという。前夜の千秋楽パーティー中、同親方の電話に着信があったが気付かず。折り返し連絡したところ、相手が石破首相だったといい「ビックリしました。電話しながら『気をつけ』をしました」と苦笑した。

 初優勝は14勝1敗の好成績。琴桜は「周りのみなさんから『おめでとう』と言われたりとか、少しずつ、本当に優勝したんだなという感じがある」と心境を明かした。初場所では横綱昇進に初めて挑む。「覚悟を決めてやっていくだけ。先代が夢に出て来て怒られないように『そんなじゃ上がれないぞ』って言われないように気をつけます。この世界に入った以上、先代に追いつくことが目標だったし、早く追いつきたい気持ちでやっていきたい」と気合を入れ直した。偉大な祖父と並ぶ最高位は、あと少しで手の届くところにある。