「明治神宮野球大会・高校の部・決勝、横浜4-3広島商」(25日、神宮球場) 決勝が行われ、高校の部では横浜が松坂大輔を擁した1997年以来となる27年ぶり2度目の優勝を飾った。最速151キロの“スーパー1年生”織田翔希投手が8回1/3を3…

 「明治神宮野球大会・高校の部・決勝、横浜4-3広島商」(25日、神宮球場)

 決勝が行われ、高校の部では横浜が松坂大輔を擁した1997年以来となる27年ぶり2度目の優勝を飾った。最速151キロの“スーパー1年生”織田翔希投手が8回1/3を3失点(自責1)と好投。九回は1死二、三塁のピンチで登板したエース・奥村頼人投手(2年)がリードを守り抜いた。大学の部は青学大が創価大を下し初優勝。2008年の東洋大以来、史上5校目6度目となる4冠(春秋リーグ戦、全日本大学選手権、明治神宮大会)を達成した。

 歓喜の輪に加わった直後、織田はベンチ裏でうずくまっていた。「相当なプレッシャーの中で準備していたので、疲れ果てていました」と村田浩明監督(38)。大きく、たくましいが、まだ1年生。“怪物”になり得る逸材が力の限りを尽くし頂点に導いた。

 初回を3者連続三振でスタートすると、キレのある直球にカーブを織り交ぜて的を絞らせず、9回途中3失点の力投。全国デビューを果たした今大会は初戦の完封勝利を含め計21回1/3を自責1と大器の片りんを見せた。

 ただ、“スーパー1年生”に頼り切りにならないところが真の強さだ。七回に3失策が絡み2点差となり、九回に織田が連打で招いた1死二、三塁の危機。左翼についていたエース・奥村頼がマウンドへ向かった。「任せろ」。後輩から白球を受け取り覚悟を決めた。

 「自分がしっかりと投げ切らないとと思って、自信のある真っすぐで押しました」。内野ゴロの間に1点差に詰め寄られたが、最終打者を直球3球で空振り三振に。笑顔で拳を握った。

 “平成の怪物”松坂大輔を擁した1997年以来となる神宮制覇は、序章に過ぎない。「27年前は松坂さんが公式戦44連勝した時。喜ぶのは今日までにして、明日からもう一回、センバツに向けてやっていきたい」と奥村頼。最強の横浜を、再び全国に知らしめる。