このところ、ジャスティン・トーマス、ルドビグ・オーベリ(スウェーデン)、キャメロン・ヤング、さらにロリー・マキロイ(北アイルランド)といったゴルフ界のビッグネームが、タイトリストによる新しいロブウェッジのグラインドオプションである「K*グ…
このところ、ジャスティン・トーマス、ルドビグ・オーベリ(スウェーデン)、キャメロン・ヤング、さらにロリー・マキロイ(北アイルランド)といったゴルフ界のビッグネームが、タイトリストによる新しいロブウェッジのグラインドオプションである「K*グラインド」を使用している。
このグラインドには世に出る上での興味深い裏話があり、PGAツアーで人気を博していることから、「ボーケイ ウェッジワークス」の1モデルとして、11月5日から一般向けに販売される運びとなった。販売に関する詳細は後述するが、まずは誕生秘話をひも解いていこう。
2015年当時、PGAツアー7勝のウェブ・シンプソンは、ボーケイシリーズで最もバウンス角が高く、ワイドソールによりソフトなコンディションやバンカーで高いパフォーマンスを発揮する通常の「Kグラインド」を試しに使用していた。しかし、テストを終えたシンプソンは、よりタイトなライで使用できる多用途性の高いウェッジが欲しいと口にした。
もちろん、当時のシンプソンには知る由もなかったのだが、このフィードバックは現在のK*グラインドを開発するガイドラインとなった。
シンプソンと新しいグラインドの開発を模索するなか、同じくKグラインドの改良型に興味を示したトーマスの存在が、ボーケイのツアーレップであるアーロン・ディルにとって然るべきソールの角度を特定する上での助けとなった。
近年になりK*グラインドは、その高い寛容性と多用途性のバランスの良さから、PGAツアーにおいてに人気がさらに高まっている。
ディルによると、K*グラインドは通常のKグラインドに似ているものの、次の2点において異なっているとのこと。第1に、K*はトレーリングエッジが大きく削られており、フェースをオープンにして構えた際、リーディングエッジが地面の近くに収まるようになっている。第2に、リーディングエッジにはディルが「プリウェア(前もった摩耗)」と呼ぶ細工が施されていることで、バウンスの寛容性を高め、フェースをスクエアにしたショットで地面に刺さりにくくなっている。
K*デザインの成功と、その後の最終的な一般販売は、ディルがツアーにおけるボーケイのユーザーとテスターのフィードバックに対して開いた心で接し、そのフィードバックを基にカスタムウェッジを作り上げる技量を持っている証しである。
現在、メッキなしの「ボーケイSM10」 K*グラインドは、ウェッジワークスのプラットフォームで販売されており、価格は225ドル、ヘッドオプションは58度と60度となっている。標準シャフトはトゥルーテンパー「ダイナミックゴールド」S200で、標準グリップはタイトリスト「ユニバーサル360」となっている。ウェッジワークスで注文できる他のウェッジ同様、シャフト、グリップ、シャフトのメーカー、先端キャップ、刻印やその文字の塗装はカスタムオーダーが可能となっている。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)