「ラグビー・リポビタンDツアー、日本代表14-59イングランド代表」(24日、トゥイッケナム) 世界ランキング13位の日本は同7位のイングランドに9トライを許し、年内最終戦で大敗を喫した。「超速ラグビー」を掲げるエディー・ジョーンズ・ヘッ…

 「ラグビー・リポビタンDツアー、日本代表14-59イングランド代表」(24日、トゥイッケナム)

 世界ランキング13位の日本は同7位のイングランドに9トライを許し、年内最終戦で大敗を喫した。「超速ラグビー」を掲げるエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(64)復帰後1年目の戦績は、テストマッチ4勝7敗となった。試合後、同HCは「今は新しい車に乗っているような形なのかなと思う。まだあまり走り出しがうまくいっていていない感じ。一つうまくいけば、もう一つの部品がどうしても壊れてしまう」と現在地を表現した。

 今年の初陣となった6月のイングランド戦では17-52で敗れていたエディージャパン。約5カ月が経過し、成長を示したい一戦だったが、逆に点差が広がった結果になった。試合は前半30分ごろまで防戦一方。主将のSH斎藤が「前半30分ぐらいまで、常にイングランドのプレッシャーを受けて、なかなか自分たちのペース、アタックというところが見せられなかった」と話した通り、自陣で押し込まれる時間が続き、31分時点では0-28と大きくリードを許した。

 それでも34分に素早いパス回しからCTBライリーが右サイドで抜け出すと、最後は斎藤のトライで得点を挙げた。ようやく流れをつかみ「前半最後の10分からやれた部分もあった」と斎藤。4分後に追加点を取られ前半を7-35で折り返したが、後半開始からもテンポのいい攻撃が続き、日本ペースだった。だが、要所での連係や個人でのミスが響き得点に至らず。すると14分、ラインアウトのミスから失点し、流れを手放した。試合を通じてセットプレーが崩壊、ペナルティーの多さが目立ち、終わってみれば9トライ59失点、45点差の厳しい結果に。フランカー姫野は「非常に残念です。自分たちのやりたいことがすべてできなかった」と唇をかんだ。

 秋シリーズでは、オールブラックス、フランス、イングランドといった強豪相手に50失点以上を喫し、厳しい現実を突きつけられた。それでもエディーHCは「現在の日本は、学びと時間が必要。まだまだ200キャップ以下の若い選手たちがいるので、我慢すること、やり続けることが重要だと思っている」と前を向いた。

 復帰後1年目は世代交代を目指し、キャップ数が少ない選手を積極的に起用し続けてきた。「シーズンを通じて、もちろん浮き沈みはありましたが、特にここが伸びたという成長もなければ、ここが広がったというところもないと思っています。プロセスを信じてやり続けることが大切」と、内容、結果よりも過程の大切さを強調した指揮官。斎藤も「今年1年うまくいかないこともありましたけど、自分たちは超速ラグビーを信じて、やり続けるだけだと思っている。もちろん結果は出ていませんけど、信じてやり続けます」。来年は真価が問われる2年目となる。