高校サッカーの強豪・神村学園を卒業後、Jリーグを経ずに欧州5大リーグのドイツ・ブンデスリーガに挑戦。今年1月、トップチームへの昇格を勝ち取った、リーグ優勝5回の実績を誇る名門ボルシアメンヘングラッドバッハ(以降、ボルシアMG)の福田師王。…

 高校サッカーの強豪・神村学園を卒業後、Jリーグを経ずに欧州5大リーグのドイツ・ブンデスリーガに挑戦。今年1月、トップチームへの昇格を勝ち取った、リーグ優勝5回の実績を誇る名門ボルシアメンヘングラッドバッハ(以降、ボルシアMG)の福田師王。サッカー日本代表の「ラストピース」としても期待される20歳の大型フォワードに、『サッカー批評』では連載を依頼。サッカーから日常まで、福田師王のメンヘングラッドバッハでの日々を、語ってもらった!

■「こんにちは、福田師王です!」

 こんにちは、ボルシアMGの福田師王です。このたび『サッカー批評』で連載をさせていただくことになりました。初めての連載ということで、慣れない部分もあるかと思いますが、精いっぱい頑張りますので、応援よろしくお願いいたします!

 連載のタイトルはシンプルに“Tor!”にしました。Torは日本語にすると、ゴール(得点)という意味で、トアと発音します。「これからブンデスリーガでたくさんのTorを決めて行くぞ」という気持ちを込めて、連載タイトルに選ばせていただきました。
 今回は初回ということで、僕がドイツに来てからのサッカーの話をさせてください。
昨年1月にドイツに来て、ボルシアMGのU-19チームに所属しました。そして、昨年の夏からはボルシアMGのセカンドチームに上がって、今年の1月にトップチームに昇格することになりました。

■「本当にリスペクトしています」

 高校を卒業後すぐにドイツに渡っているので、同世代の日本の仲間と会う機会はなかなかないのですが、ボルシアMGには板倉滉選手という偉大な先輩がいます。
 板倉選手がトップチームでも日本代表でも主力で活躍している姿を見ていると、もう刺激しかないですね。ふだんの練習後は、コウくん(僕は板倉選手をコウくんって呼んでます)が「師王やるか!」って声をかけてくれて、一緒に筋トレをしたり、食事に誘ってもらったり、公私ともども本当に良くしてもらっています。 
 この夏のオフには、コウくんが主催する金沢でのイベントに、一緒に行かせていただきました。能登半島地震で被災した石川県やその付近の人たちを勇気づけよう、元気づけようというイベントだったんですけど、口に出すだけではなく、実際にやっている、その行動力や優しさを本当にリスペクト(尊敬)しています。ボルシアMGに所属していて、よかったなと思うことの一つに、コウくんとの出会いがあります。

■「なんで、ここにいるんだろう」

 今季はプレシーズンからトップチームで練習をしているんですが、なかなか試合に出場するチャンスがなくて、少し難しい時間を過ごしています。
 毎日トップチームで練習していますが、週末はセカンドチームで試合に出ることが多くて。セカンドの試合でも結果を残したいけど、日頃、一緒に練習をしていないメンバーだと、なかなかプレースピードが合わなかったり、自分が欲しいときにボールが出てこなかったり。だから、チャンスメイクだったり、いつもの自分らしくないプレーをしてチームの勝利に貢献しようと頑張っています。
 セカンドチームの選手たちは「トップに上がりたい」という気持ちが最優先になってしまうので、ボールを持ったら、周りの状況などは関係なく、ゴールを狙いに行ってしまう場面が多かったりします。
 いいポジションで待っていても、なかなかボールは出てこないので、そういう中で、何ができるのか考えながらプレーしなくてはならない難しさがあるんです。
 気持ちの面、プレーの面、両面の苦しさがあります。試合中に「俺ここで何してるんだ~」「なんで、俺ここにいるんだろう」と思うこともあります。
 昨年の今頃は、トップに上がる前だったので、セカンドで練習してセカンドで試合だったので、特に問題はなかったですが、今はトップチームの一員ですし、焦りのようなものを感じることもあります。(構成/了戒美子)

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