「大相撲九州場所・千秋楽」(24日、福岡国際センター) 琴桜が豊昇龍との21年ぶり大関同士の千秋楽相星決戦を制し、14勝1敗の好成績で悲願の初優勝を飾った。しこ名を継いだ祖父の琴桜(元横綱)と同じ大関在位5場所目の27歳で、初めて賜杯を抱…

 「大相撲九州場所・千秋楽」(24日、福岡国際センター)

 琴桜が豊昇龍との21年ぶり大関同士の千秋楽相星決戦を制し、14勝1敗の好成績で悲願の初優勝を飾った。しこ名を継いだ祖父の琴桜(元横綱)と同じ大関在位5場所目の27歳で、初めて賜杯を抱いた。

 不完全燃焼の幕切れに、豊昇龍は悔しさを爆発させた。「クソーッ!!」。支度部屋の風呂場に、甲高い絶叫が響いた。勝負のアヤは仕切り線だ。右から投げを打った後、線の上で右足が滑ってバッタリ。2度目の優勝もスルリと逃げていった。一度は取材を断った後「もったいない」とポツリ。先に攻めていただけに「オレの流れだった」とやりきれなかった。

 ただ、手応えをつかんだ場所だったのは間違いない。前に出る相撲で自己最多の13勝。名古屋場所の取組で負ったケガを反省し、投げに頼る悪癖の修正に取り組んできた成果がハッキリと出た。

 優勝まであと一歩と迫り、綱とりのチャンスが来る。「この思いを忘れない」。悔しさを胸に刻み込んだ豊昇龍は「来場所、死ぬほどやり返す」と闘志をほとばしらせた。