「大相撲九州場所・千秋楽」(24日、福岡国際センター) 琴桜が豊昇龍との21年ぶり大関同士の千秋楽相星決戦を制し、14勝1敗の好成績で悲願の初優勝を飾った。しこ名を継いだ祖父の琴桜(元横綱)と同じ大関在位5場所目の27歳で、初めて賜杯を抱…

 「大相撲九州場所・千秋楽」(24日、福岡国際センター)

 琴桜が豊昇龍との21年ぶり大関同士の千秋楽相星決戦を制し、14勝1敗の好成績で悲願の初優勝を飾った。しこ名を継いだ祖父の琴桜(元横綱)と同じ大関在位5場所目の27歳で、初めて賜杯を抱いた。

 大関同士のハイレベルな成績による相星決戦で、初場所は“ダブル綱とり”となる見通し。昇進を預かる審判部の高田川部長(元関脇安芸乃島)は、初優勝した琴桜について「最後も圧力でねじ伏せた。いい相撲を場所を通してとったなという印象。強い気持ちで前に出ている」と称賛。来場所が綱とりの場所になることを「そうですね」と認め、「これだけいい相撲をとれば楽しみ」と期待した。

 横綱昇進の条件は、大関で2場所連続優勝、もしくはそれに準ずる成績。千秋楽の結びまで優勝を争った豊昇龍の今場所は「準ずる成績」に値するといえる。同部長は「来場所を見てですね。いい相撲をとってもらえれば、おのずと夢に向かっていけると思います」と、来場所次第で昇進の可能性があることを示唆。「強かったなという相撲が多かった」と内容を高く評価した。

 横綱同時昇進が実現すれば、1970年春場所の北の富士&玉の海以来55年ぶり6例目となる。八角理事長(元横綱北勝海)は横綱が並び立つ“北玉時代”や“輪湖時代”の例を挙げ「そうなってほしいね」と願った。