阪神・藤川球児新監督(44)が24日、オフシーズンの自主トレについて“球児流”の提言を行った。かねてMLB志向の高まりとともに危機感を抱いており、MLB仕様のフォームでは日本の野球に通用しないと断言。オフ期間に形を変えた場合はコーチ陣への…
阪神・藤川球児新監督(44)が24日、オフシーズンの自主トレについて“球児流”の提言を行った。かねてMLB志向の高まりとともに危機感を抱いており、MLB仕様のフォームでは日本の野球に通用しないと断言。オフ期間に形を変えた場合はコーチ陣への報告を義務づけ、結果に結びつかなければ、開幕1軍メンバー入りは難しくなると厳しい姿勢を打ち出した。
4年ぶりに現場に戻ってきた藤川監督が、以前から抱いていた危機感を口にした。「評論家時代には言わなかったですけど、いよいよこちら側に来たので」。話題はオフシーズンの自主トレについて。「今非常に危険なところにあるんですよね。選手が進みたい方向と…」。あえて、刺激的な言葉で警鐘を鳴らした。
「MLBの野球を目指しながらやっている選手もいますけど、NPBの野球とは質が違う。MLBにアジャストしようとするとNPBでは通用しないというのははっきり出ていますから。一つの提言ですね。損をするよと。数字が出なくなる」
近年、MLB志向の高まりとともに、違和感を覚えていた。「ベースボールと野球は違う」。体格だけでなく、ボール、ルールも多少は異なる。オフ期間に憧れのメジャーリーガーを参考に打撃フォームや投球フォームを変えれば、春先のつまずきにつながる。MLB経験者だけに、指揮官の言葉は説得力が伴った。
「各コーチにしっかり投げました。オフシーズンは自分たちでやるんだけど、かなり選手たちも変化してきたという実感がありますから」。秋季キャンプで作り上げた形はチーム内で共有。2カ月のオフを経て「変わってできていないとか、全く変えてきているとなれば、競争というか、メンバーに入りづらくなる」と語気を強めた。
誤差を生じさせないために求めたのは、首脳陣とのコミュニケーションだ。「フォームを変えたのであれば『ここを変えました』と」。故障であればなおさら。「隠さないように」とトレーナーへの報告を義務づける。
レベルアップするため、オフ期間に学ぶのは構わない。しかし、成績に結びつかなければ苦渋の決断をせざるを得ない。かねて「僕は判断はものすごく早い。一瞬でチャンスはなくなる」と予告してきた。キャンプ初日。選手がどんな姿でグラウンドに立つか、指揮官は目を光らせている。