「卓球・WTTファイナル」(24日、北九州市立総合体育館) 男子シングルス決勝が行われ、世界ランク7位でアジア選手権覇者の張本智和(21)=智和企画=が、大会連覇中で同1位の王楚欽(中国)と対戦し、0-4のストレート負けで6年ぶりの優勝は…

 「卓球・WTTファイナル」(24日、北九州市立総合体育館)

 男子シングルス決勝が行われ、世界ランク7位でアジア選手権覇者の張本智和(21)=智和企画=が、大会連覇中で同1位の王楚欽(中国)と対戦し、0-4のストレート負けで6年ぶりの優勝はならなかった。生命線のチキータを攻略され、打開策を見いだせないまま押し切られてしまい、「文字通りの完敗。シンプルに全ての面で相手の方が上だった。あのボールは今の僕では返せない」と王者をたたえるしかなかった。

 また、ホームの日本開催ながら、スター選手目当てに多くの中国人ファンが詰めかけており、入場の時点で、張本に続いて王楚欽が登場すると大歓声が響いた。大会MCが会場音楽に合わせて「ハ・リ・モ・ト」と自国エースへのコールを煽ったものの、逆にそれに対抗しようと中国ファンが「王楚欽!」と息を合わせて大合唱。“加油(頑張れ)”という中国の応援団に文字通り火に油を注ぐ形となり、アップ中だった張本も思わず苦笑いを浮かべた。

 王者のプレーに押されたのはもちろん、張本が失点する度に「王楚欽」のタオルやボードを掲げた赤い軍団が歓喜に沸き、会場のボルテージが上がった。アウェー寄りの空気を打破することができなかった張本は「最初の雰囲気もそうだし、(中国の応援が)すごかったですね。王楚欽ファンが多いのは知っているし、最終日で気合が入っているのはわかったが、あれだけ(MCの煽りに対し『王楚欽』コールを)被せてきたら悲しくなる(笑)。中国開催よりすごかったかもしれない。びっくりしましたね。仕方ない。(開催地が)欧州でもアメリカでも、どこでやっても中国ファンは(応援がすごいので)」と、あらためて最強王国の卓球熱に脱帽した。