■仙台のプレーオフ進出を後押しした中島右サイドMF マルコス・ギリェルメ(V・ファーレン長崎)35試合、2184分出場 加入2年目の今シーズンは3節の清水戦でJリーグ初得点を記録すると、マテウス・ジェズス、エジガル・ジュニオに次ぐチーム3…

■仙台のプレーオフ進出を後押しした中島

右サイドMF マルコス・ギリェルメV・ファーレン長崎)35試合、2184分出場

 加入2年目の今シーズンは3節の清水戦でJリーグ初得点を記録すると、マテウス・ジェズスエジガル・ジュニオに次ぐチーム3番目の12ゴール。アシストはチームトップの「8」を記録した。2列目右サイドを定位置とし、ドリブルで持ち運ぶことができ、タイミングの良いフリーランニングで決定的なパスを受ける。22節の徳島戦では右足で直接FKを突き刺し、1対0の勝利を手繰り寄せた。右サイドでは山根永遠横浜FC)やルーカス・ブラガ(清水)、田中和樹(ジェフユナイテッド千葉)らもチームに貢献したが、数字で上回るマルコスを選出。

左サイドMF 中島元彦ベガルタ仙台)38試合、2970分出場

 4-4-2のシステムで2トップの一角をメインに左MFでもプレーし、時間帯や試合展開によってはボランチも担った。自身が特徴とするユーティリティ性でチームを支えつつ、キャリアハイを更新する13ゴールをマーク。シュートレンジの広さ、左右両足に加えて頭でも決められるゴールパターンの多彩さで、チームの6位でのJ1昇格プレーオフ出場を手繰り寄せた。

FW 小森飛絢(ジェフユナイテッド千葉)38試合、3115分出場

 実質プロ1年目の昨シーズンに記録した13ゴールから、一気に10点を上積みして23ゴール。J2得点王に輝いた。ラスト11試合で13ゴールを量産してチームをJ1昇格プレーオフ圏へ浮上させたが、37節の長崎戦、38節の山形戦では沈黙。勝負どころで結果を残せなかったのは悔しい。とはいえ、左右両足を使い分け、ゴール前でのポジショニングも巧みなこの24歳が、ジェフの攻撃を支えたのは間違いない。オフの動向が注目されるひとりだ。

FW 谷村海那(いわきFC)38試合、3194分出場

 3-1-4-2の2トップの一角を主戦場としてリーグ戦全試合に出場し、得点ランク2位タイの18ゴールを記録。その活躍でチームは昨年の18位から9位へ順位を上げ、終盤までJ1昇格争いを演じた。在籍5年目の26歳はクロスに対する入りかたを磨き、ゴール前での駆け引きにも成長の跡を残した。守備面でもひたむきにハードワークし、チ―ムのスタイルを具現化していった。

監督 秋葉忠宏清水エスパルス

 昨シーズン途中の就任から「超攻撃的」、」「超アグレッシブ」のスタイルを掲げ、攻守両面において攻撃的な姿勢を植え付けてきた。最終盤にやや足踏みをしたものの、唯一の勝点80超えでJ2優勝でのJ1昇格を勝ち取った。4-2-3-1を軸に3バックを併用する柔軟な戦いぶりも、チームに浸透していった。

MVP 北川航也(清水エスパルス)

 3バックでも4バックでも1トップのファーストチョイスとなり、相手守備陣の脅威となった。18年シーズン以来となる2ケタ得点(12点)も評価されるが、何よりもキャプテンとしてチームの先頭に立ったことに大きな価値がある。

■藤枝FW矢村は飛躍のシーズンに

【控え選手】

GK 後藤雅明モンテディオ山形)38試合、3420分出場

 土居聖真ディサロ・燦・シルヴァーノの途中加入で一気にJ1昇格プレーオフへ進出したチームで、失点をリーグ最少4位の36にまとめた彼の存在も欠かせないものだった。枠内シュートセーブ総数ではリーグ最多を記録。35節のアウェイ清水戦では、勝利を呼び込むビッグセーブも。

DF 河野貴志ブラウブリッツ秋田)37試合、3330分出場

 全38試合のうち37試合でフルタイム出場を果たし、GK圍謙太朗が夏に移籍した守備陣をシーズンを通して支えた。リーグ最少3位の35失点を記録したのは、空中戦と球際で強さを発揮するこのCBがいたからだ。

DF 山原怜音(清水)34試合、2881分出場

 4バックなら左SB、3バックなら左WBとして、縦への推進力をいかんなく発揮していった。6アシストは乾に次いでチーム2位。セットプレーのキッカーも務め、得点機を演出した。

MF イサカ・ゼイン(モンテディオ山形)37試合、2904分出場

 4-2-1-3のシステムで右ウイングを任され、5得点7アシストをマーク。スピード豊かな縦への抜け出しからのクロスに加え、カットインからの左足シュートも武器。自身の攻撃の幅を拡げることで、チームのアタックにバリエーションをもたらした。

MF アダイウトンヴァンフォーレ甲府)33試合、2198分出場

 チームは14位とふるわなかったが、彼自身は得点ランク6位の14ゴールを叩き出した。3-4-2-1の2シャドーの一角から、爆発的なスピードとフィジカルを生かして相手ゴールに襲いかかる。ワンプレーで相手守備陣に決定的なダメージを与えた。

FW 岩渕弘人(岡山)34試合、2463分出場

 いわきFCから移籍加入し、チームトップの13発。35節のいわきFC戦で2得点をあげ、36節の横浜FC戦で勝利を呼び込む先制弾を決め、37節の藤枝MYFC戦でも先制点。重要な最終局面で価値ある得点を連発し、チームのJ1昇格プレーオフ出場を後押しした。

FW 矢村健(藤枝MYFC)38試合、3209分出場

 16得点はランキング単独4位で、2ケタ得点はキャリア初。黒星先行のチームで得点源となり、J2の月間ベストゴールを2度受賞した。動き出しのタイミングに優れ、ゴールからの逆算で最適なポジションを取る。飛躍のシーズンとなった。

 なお、得点ランク5位のエジガル・ジュニオ(V・ファーレン長崎)は、プレータイムが基準に満たないため選外となった(それで15得点はすごいのだが)。

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