「甲子園夢プロジェクト」の特別支援学校生、養護学校生らが参加 巨人は23日、知的障がいを持つ球児たちへ硬式野球に取り組む場を提供する「甲子園夢プロジェクト」との合同練習会を川崎市のジャイアンツ球場で開催。巨人からは2年目のホープ、浅野翔吾外…

「甲子園夢プロジェクト」の特別支援学校生、養護学校生らが参加

 巨人は23日、知的障がいを持つ球児たちへ硬式野球に取り組む場を提供する「甲子園夢プロジェクト」との合同練習会を川崎市のジャイアンツ球場で開催。巨人からは2年目のホープ、浅野翔吾外野手も参加した。

「甲子園夢プロジェクト」からはこの日、全国の特別支援学校、養護学校に通いながら野球に取り組む中、高校生、卒業生ら27人が参加。外野手、内野手、投手の3つに分かれて指導を受けたが、浅野は外野を担当し、矢野謙次2軍打撃チーフコーチが投げ上げるフライを追いかける球児たちへ、指示と声援を送っていた。「最初は全く捕れなかった子が、最後にきれいに捕ってくれて、めちゃくちゃうれしくて、僕自身もすごいガッツポーズをしてしまいました。楽しかったです」と満面の笑みを浮かべた。

 ただ、そんな浅野が思わず頬を赤らめる一幕があった。球児たちからの“質問コーナー”で、広島県立黒瀬特別支援学校1年の南昊雅さんが手を挙げ、「僕はカープのファンで、マツダスタジアムに巨人戦を見に行った時、浅野さんがエラーした瞬間、『よっしゃ!』と叫んでしまいました。次の日に(動画で)浅野さんが泣いていたのを見て、謝りたい気持ちになりました。すみませんでした」と頭を下げたのだ。浅野は困惑しつつ「これからはエラーをしないように頑張ります。は、恥ずかしい……」と返した。

打率.240、3本塁打でレギュラー定着へ確かなステップを踏んだ

 南さんが言及したのは、9月21日の広島戦のことだろう。巨人は4-1とリードして8回の守りに就いたが、2点差に詰め寄られ、なおも2死二、三塁で、小園海斗内野手の右前打を浅野が後逸。同点とされた上、小園を三塁まで進め、逆転負けにつながってしまった。浅野は1点ビハインドの9回の攻撃でも、2死走者なしの場面で空振り三振を喫し、最後の打者に。試合終了後はベンチに泣き崩れ、タオルで頭を覆ったまま、しばらく動けなかった。

 2022年ドラフト1位で香川・高松商高から入団した浅野は、1軍出場試合数をプロ1年目の24試合から、2年目の今季は40試合に増やし、打率.240、3本塁打、18打点をマークした。もちろん失敗もあったが、思い切りのいいスイングで徐々に存在感を増し、レギュラー定着へ向けて確かなステップを踏んだ。

 泣いても笑ってもピュアな人柄がにじみ出る好漢だが、24日は20歳の誕生日。技術的にも人間的にもひと回り大きくなって、来季に挑む。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)