◆第104回サッカー天皇杯▽決勝 神戸1―0G大阪(23日・国立競技場) 1953年度以来71大会ぶり、Jリーグ発足の93年度以降では初の関西勢同士による天皇杯決勝は、神戸がG大阪を1―0で退け、5大会ぶり2度目の頂点に立った。0―0の後半…
◆第104回サッカー天皇杯▽決勝 神戸1―0G大阪(23日・国立競技場)
1953年度以来71大会ぶり、Jリーグ発足の93年度以降では初の関西勢同士による天皇杯決勝は、神戸がG大阪を1―0で退け、5大会ぶり2度目の頂点に立った。0―0の後半19分に神戸FW宮代大聖(24)が先制点を奪い、この1点が決勝点となった。優勝賞金は1億5000万円。神戸は2連覇が懸かるJ1でも首位に立ち、早ければ12月1日にも2冠達成の可能性がある。
天皇杯の歴史に指導者としても名を刻んだ。神戸・吉田孝行監督は選手時代、1999年元日の第78回大会決勝で大会後の消滅が決まっていた横浜F(フリューゲルス)に最後のタイトルをもたらす決勝点を挙げた。立場が変わって手にした栄冠。いつもは冷静な指揮官は、大きな声を出して心から喜んだ。「フリューゲルスと今と同じタイトルだけど、プレッシャーは違う。今は監督。責任を感じながらやらせてもらった」とトロフィーを天高く掲げた。
「ピッチではうそをつかない」が信条。口数は少なくとも、チーム第一を貫いた。昨季は守備の緩慢さを理由にイニエスタを構想外とした。批判を受けたが、保身よりもチームが勝つための戦術を徹底。クラブ初のJ1制覇をもたらす姿に、大迫も「タカさん(吉田監督)はぶれない。自分が外されても許せる」と信頼を寄せる。神戸の歴史を変え、クラブに3冠目をもたらした。(森脇 瑠香)