◆ラグビー▽関東大学対抗戦 早大57―3慶大(23日、秩父宮ラグビー場) 対抗戦が行われ、101回目の早慶戦は早大が計8トライを挙げて57―3で圧勝して全勝をキープ。通算成績を74勝7分け20敗とし、2018年度以来6季ぶりの対抗戦Vに王手…

◆ラグビー▽関東大学対抗戦 早大57―3慶大(23日、秩父宮ラグビー場)

 対抗戦が行われ、101回目の早慶戦は早大が計8トライを挙げて57―3で圧勝して全勝をキープ。通算成績を74勝7分け20敗とし、2018年度以来6季ぶりの対抗戦Vに王手をかけた。1年生でチームの司令塔を務めるSO服部亮太がキック、ランで見せ、1トライ。明大(1敗)との「早明戦」(12月1日、国立)が優勝決定戦となり、17季ぶりの全勝Vをかけて往年のライバルと戦う。また、帝京大(1敗)の4連覇の可能性が消滅した。

 圧巻の強さで、早大が対抗戦Vに王手をかけた。101回目を迎えた「早慶戦」は、計8トライを奪う猛攻。守っても相手をノートライに抑え、57―3で完勝した。全勝を守ったが、フッカー佐藤健次主将(4年)は「早慶戦で勝てたことはうれしいけど、準備したことが出せないところもあった。1週間の準備の濃さを上げていかないといけない」と慢心は一切なかった。

 躍動したのは1年生SOの服部だ。前半7―0の15分、敵陣22メートル内でボールを持ち、駆け抜けて追加点。ランでみせると、同27分には左サイドに狙い澄ました約50メートルの「50:22」。後半も絶妙なキックパスで味方のトライをアシストするなど、足技でも秩父宮を沸かせた。「大舞台を楽しむことを第一に考えていた」。自身初の伝統の一戦にも、ルーキーらしからぬ強心臓で攻撃をけん引した。

 勝ち点6を獲得し、1敗の帝京大の優勝が消滅。次戦、明大との「早明戦」が優勝決定戦となる。大学選手権での優勝は早大が1位の16度に対し、続く明大が13度。往年のライバルだ。佐藤は「明治さんは、1番から23番までスーパースターがそろっているスター軍団」と言う。推薦枠の関係で、例年早大より多くの高校日本代表やU20代表が入学するというエリート。一方の早大は一般入試組や浪人組も多い“雑草軍団”で、主将は「そういう選手が頑張ることが、早稲田が強い要因の一つ」と自負する。

 雌雄を決する早明戦は、対抗戦では記念すべき100回目の対決。大田尾竜彦監督(42)は「非常に気持ちが入る試合」と大一番をにらむ。過去は55勝2分け42敗。佐藤は「いろんな重圧はあるが、しっかり自分たちに集中して。そうすれば結果は出る」と静かに燃える。12月1日、国立で両校のプライドが火花を散らす。(大谷 翔太)

 ◆服部 亮太(はっとり・りょうた)2005年12月9日、福岡・北九州市出身。18歳。兄の影響で小学1年からラグビーを始め、佐賀工では3年連続で花園に出場。高校日本代表。178センチ、80キロ。