◆男子プロゴルフツアー カシオワールドオープン 第3日(23日、高知・Kochi黒潮CC=7350ヤード、パー72) 首位と3打差4位から出た通算20勝の石川遼(33)=カシオ=は、1バーディー、ボギーなしの71で回り、通算11アンダーで1…
◆男子プロゴルフツアー カシオワールドオープン 第3日(23日、高知・Kochi黒潮CC=7350ヤード、パー72)
首位と3打差4位から出た通算20勝の石川遼(33)=カシオ=は、1バーディー、ボギーなしの71で回り、通算11アンダーで1打差3位に浮上した。3日間連続ノーボギーのラウンドで、前週から続く連続ノーボギーの自己記録を「58」ホールに更新中。男子ツアーでは詳細な記録の残る1985年以降、2例目となるノーボギーVで、15年ぶりの賞金王奪還の可能性をつなぐ。宋永漢(ソン・ヨンハン、韓国)、マイケル・ヘンドリー(ニュージーランド)が12アンダーの首位に並んだ。
難条件下で、石川が3日連続ノーボギーで耐えしのいだ。太平洋を望むフラットでフェアウェーの広いコースの周辺は、最大瞬間風速9メートルの風が吹き荒れた。「今までで一番難しい日に感じた」と過去13回出場した中で最も「タフだった」と石川。この日ボギーなしはただ一人。「さすがに無理かと思った」が、開幕前から目標としていたボギーを打たないゴルフを貫いた。
スタートからピンチが続いた。1、2番はともにロングパットの距離感が合わず、2・5メートルのパーパットを残すも執念でねじ込んだ。「100点満点のゴルフではないけど、ミスを減らせている。難しくなった分、楽をしがちなコンディションだと思ったので、毎ホール引き締めながらできた」。自身の連続ボギーなし記録も10年8月の「49」から「58」へと更新した。
これまでの石川は出入りの激しい“劇場型ゴルフ”が代名詞だった。だが、今季はコースマネジメントに重きを置いている。2週前に優勝を飾った三井住友VISA太平洋マスターズでも、ティーアップをほとんどせずにフェアウェーキープに徹するなど、33歳は“大人のゴルフ”でスコアメイクに徹した。
賞金ランクは約3188万円差の5位。逆転での賞金王へ向け「来週までそのチャンスを引き延ばしたい」と意気込む。最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップ(28日開幕、東京よみうりCC=報知新聞社主催)は過去2勝と好相性。今大会のホストVから15年ぶりの戴冠へと燃えている。
日本男子ツアーでのノーボギー優勝は、17年10月のツアーワールド・カップの宮里優作だけ。2人目の快挙へ1打差を追う。「最後の3ホールで優勝争いの中にいられるように頑張りたい」。反省点となったアイアン、ウェッジショットを中心に約1時間、練習場で調整。今季2勝はともに最終日逆転。3度目の逆転劇からキング奪還へ、最終日も安定したマネジメントを貫く。(富張 萌黄)