大相撲の第52代横綱北の富士の竹沢勝昭(たけざわ・かつあき)さん=北海道旭川市出身=が、12日午前に治療のため入院していた東京都内の病院で死去した。82歳だった。葬儀・告別式は故人の遺志により、20日に近親者のみで執り行われた。12月18…
大相撲の第52代横綱北の富士の竹沢勝昭(たけざわ・かつあき)さん=北海道旭川市出身=が、12日午前に治療のため入院していた東京都内の病院で死去した。82歳だった。葬儀・告別式は故人の遺志により、20日に近親者のみで執り行われた。12月18日に八角部屋でお別れの会が開かれる予定となっている。
近年はNHKの相撲解説者として人気を博していた北の富士さん。体調を崩すまで千秋楽の解説と言えば北の富士さんが定番だった。2022年初場所千秋楽で御嶽海が3度目の優勝を決めた直後、客席で喜びを爆発させる母・マルガリータさんが映し出された。
すると「おっ、マルガリータ!」とつぶやいた北の富士さん。名前を即答したことで実況アナが驚きの反応を見せると「ファンですから」と言い切った。直後に「マルガリータ」がトレンド入りするなど、ファンは騒然。後日、御嶽海が「有名な北の富士さんが、御嶽海には興味がない、お母さんに興味があると言っちゃったから、SNSでバズっちゃって、僕優勝したのにツイッターの検索数、マルガリータのほうが多かったですから。余裕で負けました」と激白していた。
さらに逸ノ城が優勝を決めた際には「笑うかな~」と興味津々に語り、白い歯をこぼすと「笑った!笑った!」と喜んでいた北の富士さん。ユーモア溢れるだけでなく、時には「みんな痛いところはあっても頑張って出ている。それを言っちゃー、おしまいよ」と故障が影響して負け越した力士に愛あるゲキを飛ばした。
白鵬(現宮城野親方)の晩年、故障がちで途中休場を繰り返していた際には「あのくらいになったらきちっとしたものすごい辞め方をしてほしい。優勝はもういいですよ。見事な引き際をしてもらいたい」と“引退勧告”をしたシーンも。70歳を過ぎてもダンディでカッコ良さが際立っていた北の富士さん。親方として横綱千代の富士、北勝海(現八角理事長)らを育てた名伯楽としてだけでなく、相撲ファンからも愛された北の富士さん。ネットでは今も「寂しい」「いちばん面白かった」「もう一度、聞きたかった」と惜しむ声が広がっている。