WRC第13戦ラリージャパン(ターマック)の戦いが本格的にスタートしたデイ2、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは最初のステージで勝田貴元/アーロン・ジョンストン、セバスチャン・オジエ/バンサン・ランデ…
WRC第13戦ラリージャパン(ターマック)の戦いが本格的にスタートしたデイ2、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは最初のステージで勝田貴元/アーロン・ジョンストン、セバスチャン・オジエ/バンサン・ランデの両車がパンクに見舞われ順位を落としたが、そこから追い上げる展開をみせた。1日を無事に走りきったエルフィン・エバンス/スコット・マーティンの総合2番手を筆頭に、勝田が4番手、オジエが5番手につけデイ3を迎える。
(以下、チームリリース)
WRC 第13戦 ラリージャパン デイ2
フルデイ初日の金曜日は大波乱の展開となるも
エバンスが総合2位に、勝田が総合4位につける
11月22日(金)、2024年FIA世界ラリー選手権 (WRC)第13戦「ラリージャパン」の競技2日目デイ2が、愛知県豊田市の「豊田スタジアム」を起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team (TGR-WRT)のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)が総合2位に、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)が総合4位に、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)が総合5位につけました。
木曜日の夜に豊田スタジアムで行われたスーパーSSで開幕したラリージャパンは、金曜日の朝から山岳地帯の山道で一日を通しての戦いがスタート。愛知県の道を舞台に8本合計126.00kmのステージが行なわれ、4日間で最長の一日となりました。午前中は青空が広がる爽やかな天気となり、路面の多くはドライコンディションに。しかし森の中の道の一部は湿っており、グリップがかなり低いセクションもありました。午後になると雲が増え、一時的な弱い雨によりステージの一部路面はウェットコンディションとなりました。
金曜日の1本目、今大会最長23.67kmのSS2「イセガミズ・トンネル1」でエバンスは3番手タイムを記録し、総合3位にポジションアップ。続くSS3「イナブ/シタラ1」では2番手タイムを、新ステージのSS4「シンシロ1」ではベストタイムを刻み首位に立ちました。「稲武どんぐり工房」に設定されたTFZ(タイヤフィッティングゾーン)での簡易的なサービスを経て始まった午後の再走ステージで、エバンスはやや遅れをとり総合2位に後退しましたが、SS7ではベストタイムを記録。一日の最後に岡崎市中央総合公園で2本連続で行なわれたスーパーSS「オカザキSSS」の2本目では、勝田、アドリアン・フォルモー(Mスポーツ・フォード)とベストタイムをシェア。首位オィット・タナック(ヒョンデ)と20.9秒差の総合2位で一日を終えました。
前夜のスーパーSSで3番手タイムを記録した勝田と、5番手タイムで走破したオジエはともにSS2でパンク。オジエはステージの途中で停車してタイヤ交換を行なったため、約2分を失いました。一方、スローパンクチャーを喫した勝田はタイヤがホイールのリムから外れた状態でステージを最後まで走り切り、約1分を失いました。その結果、勝田は総合9位に、オジエは総合18位に順位を下げましたが、彼らはその後素晴らしい走りで挽回。勝田はSS5で総合3位に浮上し、その後SS7で総合4位となるも、SS8とSS9で連続ベストタイムを記録。総合3位のフォルモーと僅か0.1秒差の総合4位でデイ2を終えました。また、オジエはSS3でのベストタイムを含む6本のトップ3タイムで挽回。勝田と21.6秒差の総合5位まで順位を回復しました。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
ラリージャパンでは、これまで毎年のように金曜日に多くのドラマが起こってきましたが、今年もそうなりました。朝最初のステージで貴元とセブがタイムを失い、非常に残念なスタートになってしまいました。それでも我々は戦うことを諦めなかったですし、ライバルたちに問題が発生するなど状況が急激に変わり続けたことで、選手権争いにおいて再びチャンスが巡ってきました。一日の終わりにはエルフィンが総合2位に、貴元とセブは総合3位に肉薄する位置につけたので、我々の順位はそれほど悪いものではありません。土曜日が終了した時点で2台がトップ3に入っていれば、日曜日は引き続きエキサイティングな展開になるでしょう。しかし、明日もコンディションが再び非常にトリッキーになる可能性があるので、まずは明日をうまく乗り切る必用があります。
エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
今朝は路面のグリップ変化が激しく、難しいスタートになりました。路面の変化を読みにくい場所もいくつかあったので、きっと他のドライバーたちもそうだったと思いますが、クルマがあちこちでスライドしました。午前中のタイヤ選択はかなり上手く行き、ループの後半はハードタイヤのメリットを最大限に活かすことができました。しかし、午後のタイヤ選びは簡単ではありませんでした。路面のグリップが予想以上に良かったので、私たちのタイヤ選択は完璧ではなかったかもしれませんが、ステージを重ねるごとに状況は良くなり、ポジティブに一日を終えることができました。明日もまだ扉は開かれていますし、チームとしての戦いはまだ続いているので、最後まで全力を尽くします。
セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)
ラリージャパンの金曜日最初のステージは毎年非常に難しく、私にとってあまりラッキーものではありません。過去3年間で2回、このステージの同じような区間でパンクに見舞われました。一体どこでそうなったのかよく分からなかったので、非常に残念でしたし受け入れ難いことでしたが、これが現実です。そのような状況では容易ではありませんでしたが、以降のステージでも集中力保ち続けようと試み、少なくともいくつか順位を挽回することはできました。それでもまだ十分ではなく、チームのためにさらに順位を上げる必要があります。それでもまだ多くのステージが残っていますし、最後まで何が起こるか分からないので、最後まで全力で戦い続けます。
勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)
今朝最初のステージは予定していたようなスタートにならず、残念ながらタイヤがリムから外れてしまいました。非常にアンラッキーでしたし、がっかりしましたが、幸いにもそれほどタイムを失わず、最終的には総合4位まで挽回することができました。今朝のことを考えれば決して悪くない結果です。他のドライバーが問題を抱えているときに、自分はアプローチを変え、順位を上げるために少し安全サイドで走らなければなりませんでしたが、結果的に上手く行ったので良かったです。まだまだ先は長いですし、既に多くのことが起こっているので、自分たちは諦めません。チームのために自分がすべき仕事をして、自分のドライビングに集中し続けるのみです。
ラリージャパン デイ2の結果
1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 1h26m17.6s
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +20.9s
3 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (フォードPUMA Rally1 HYBRID) +1m53.9s
4 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m54.0s
5 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +2m15.6s
6 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ (フォード Puma Rally1 HYBRID) +2m37.4s
7 ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフ (シトロエン C3 Rally2) +3m43.6s
8 サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン (トヨタ GR Yaris Rally2) +4m57.1s
9 ジョシュア・マッカーリーン/ジェームズ・フルトン (シュコダ Fabia RS Rally2) +5m55.7s
10 新井 大輝/松尾 俊亮 (シュコダ Fabia R5) +5m57.4s
(現地時間11月22日21時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)
明日のステージ情報
競技3日目となる11月23日(土)のデイ3は、岐阜県が戦いの主舞台となります。朝、最初のステージは今年新たに岐阜県恵那市の笠置山周辺に設けられた「マウント・カサギ」となり、その後「ネノウエ・コウゲン」、「エナ」という前年大会と大部分が重なる2本のステージを走行します。デイ3もまたミッドデイサービスの設定はなく、中津川公園でのタイヤフィティングゾーン(TFZ)を挟んで3本のステージを再走。その後愛知県の豊田市へと向かい、豊田スタジアムで2度目のスーパーSSを行い一日が終了します。デイ3のステージの合計走行距離は103.87km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は387.82kmとなります。