広島・田中広輔内野手(35)が22日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季年俸5000万円から減額制限を超える40%(2000万)減の年俸3000万円でサインした。「結果が全て」と受け止め、12年目の来季は「ケガしたら…

 広島・田中広輔内野手(35)が22日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季年俸5000万円から減額制限を超える40%(2000万)減の年俸3000万円でサインした。「結果が全て」と受け止め、12年目の来季は「ケガしたら引退なので」と引退覚悟の決意で挑むと意気込んだ。(金額は推定)

 厳しい数字から目を背けることはしない。成果主義のプロ野球界。今季の成績を見れば、大幅な減俸も仕方のないこと。田中は「結果が全て」と、自らの現在地を正面から受け止めた。そして来季に向けて「まずは、ケガをしないこと。ケガをしたら引退なので」と背水の覚悟で挑む姿勢を示した。

 22年オフに続く、大減俸。悔しさを味わったシーズンを踏まえて「その中で、いろんな立場で結果を出すために技術はもちろん、精神的な部分で今年感じたこともある。そういったことを思い出し、落とし込みながら練習したい」と巻き返しに燃えた。

 今季は66試合の出場で打率・156、2本塁打、7打点。開幕3戦目で24年シーズンの“チーム1号”を放ったが、先発出場した6月28日・巨人戦から代打出場も含め自身24打数連続無安打。9月20日には2軍降格となった。7月以降は、わずか1安打。このままでは終われない。「やっぱり、打たないと野手は試合に出られない。それは、ここ近年を見て分かること。文句を言われないぐらい打ちたいなと思っています」。内に秘めた思いを、原動力に変える。

 先発出場は17試合。代打では31打数2安打とチームの期待に応えられなかった。スタメンの日もあれば、終盤の勝負どころに備えて準備を進める役目も経験。その時間を糧にする。

 「代打の1打席だけの特別なポジションを今年経験して、そのしんどさも大変さも分かった。スタートで準備するのとは別物だなと感じた。練習の仕方も少し変えようかなと」。役割が異なっても、チームに必要とされる存在でありたい。そのために着々と戦闘態勢を整えていく。

 この日の契約更改交渉は田中と松山。主力としてチームの3連覇を支えたベテランには厳しい通告となったが、鈴木球団本部長は2人に対して「厳しい提示になったが、戦力として見ている。切羽詰まった状況になってきたから若手との競争になるだろうけども、がんばってもらいたい」と背中を押した。

 不動のリードオフマンとしてカープを支えてきた男も来季で12年目になる。「何とか結果を出すということで、がんばります」と田中。不退転の決意で、再起を懸ける。