WRC最終戦ラリージャパン(ターマック)は11月22日(金)、本格的な競技ステージの走行がスタート。この日は「イセガミズ・トンネル(23.67km)」、「イナブ/シタラ(19.38km)」、「シンシロ(17.41km)」の3本を2ループした…

WRC最終戦ラリージャパン(ターマック)は11月22日(金)、本格的な競技ステージの走行がスタート。この日は「イセガミズ・トンネル(23.67km)」、「イナブ/シタラ(19.38km)」、「シンシロ(17.41km)」の3本を2ループした後、岡崎市の中央総合公園に設置された「オカザキSSS(2.54km)」を2回走行する8SS、126.00kmとラリー最長の1日。しかし、日中サービスは設定されず、昼間のループ間にタイヤフィッティングゾーン(TFZ)が置かれるのみという厳しい構成だ。

コンディションは前日に続き、ドライ。ただ、木々の下にはラリーウイーク前半に降った雨によるウエットが一部残っている。主催者は落ち葉をブロワーするなど、路面のクリーンアップに努めたが、苔を含めて、非常に滑りやすい路面となっている。そして、ここ2年のラリージャパンと同じように、最初の山間部セクションから波乱の連続の展開となった。

ラリー最長の23.67kmを走行するSS2は、昨年も多くのアクシデントが発生した難関ステージ、伊勢神トンネル。まずここで、優勝候補のひとり、オジエがスタートから11.7km地点で左フロントをパンク。ステージ内でのタイヤ交換を余儀なくされて約2分を失った。さらに援護射撃の要員として期待がかかる勝田も左リヤタイヤをスローパンクで大きくタイムロス、1分03秒9差と大きく出遅れてしまった。

先頭スタートのヌービルは、タナックに1.2秒差、エバンスに5.0秒差をつけてベストタイム。前日の豊田スタジアムSSSでトップタイムをマークしたアドリアン・フルモー(Mスポーツ・フォード)は、グリップ変化の厳しい路面を警戒し、ベストのヌービルから46.9秒差の6番手タイム、チームメイトのグレゴワール・ミュンステールもソフトタイヤが合わずに54.9秒差の7番手タイムに留まった。さらに昨年、WRC2を制したアンドレアス・ミケルセン(ヒョンデ)はステージ中でコースオフを喫して10秒ほどを失い54.9秒差の8番手と、ラリー1勢が大きく遅れた。

続くSS3は一転、上位クルーが順調に走行。オジエが巻き返して、ベストタイム。一方、ここで3番手タイムのタナックは、4番手タイムのヌービルをかわして、1.9秒差の首位に浮上した。このステージ、6.4秒差の5番手タイムでまとめた勝田は、総合4番手のフルモーから5.1秒差の総合5番手に順位を上げている。

SS4は全日本ラリー選手権の開催を長く続けたことで知られる新城市に設けられた、まったく新しいステージだ。ここで、自身初タイトルに向けて総合2番手につけていたヌービルが、ステージ中にパワーダウン。大きくペースを落とし3番手に後退。この後はTFZとなっており、フルサービスが受けられないため、ヌービルにとっては厳しい展開になりそうだ。一方、昨年のWRCジャパン覇者のエバンスがここでステージウインをマークし、トップに浮上した。その後方では、セッティングに苦しみペースの上がらないフルモーを捉えて勝田が4番手に浮上している。

WRCラリージャパン SS4後暫定結果
1. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 42:24.0
2. O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1) +0.7
3. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +40.2
4. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:11.2
5. A.フルモー(フォード・プーマ・ラリー1ハイブリッド) +1:13.5
6. A.ミケルセン(ヒョンデi20Nラリー1) +1:19.8
7. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ラリー1ハイブリッド) +1:32.4
8. N.グリアジン(シトロエンC3ラリー2) +1:44.3
9. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:03.4
10. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +2:31.0