広島が新外国人選手としてサンドロ・ファビアン外野手(26)=レンジャーズ傘下=と基本合意したことが21日、分かった。近日中に発表となるが契約金40万ドル(約6200万円)、年俸70万ドル(約1億850万円)、出来高払いは最大60万ドル(約…

 広島が新外国人選手としてサンドロ・ファビアン外野手(26)=レンジャーズ傘下=と基本合意したことが21日、分かった。近日中に発表となるが契約金40万ドル(約6200万円)、年俸70万ドル(約1億850万円)、出来高払いは最大60万ドル(約9300万円)とみられ総額で最大170万ドル(2億6350万円)の1年契約となる見込み。マイナー通算104本塁打の新助っ人が、課題の得点力不足を打開する。

 チームのウイークポイントを埋めるべく、期待の新助っ人が赤ヘル打線に加わる。この日、基本合意したことが判明したファビアンは、マイナー通算104発を誇る右の中距離打者タイプ。守備は外野全てを守れて、標準以上の守備力を兼ね備える。8日に獲得したモンテロに続いて、今オフ早くも野手助っ人の補強第2弾となる。

 ドミニカ共和国出身で今季、メジャーデビューを果たした。3試合の出場にとどまった一方で、3Aでは116試合に出場。打率・270、17本塁打、81打点という成績を残した。かねて球団はファビアンを新外国人の獲得候補者の中で上位にリストアップ。新井監督もチェックしており、基本合意に至った。

 シンプルな打撃フォームであり、シャープなスイングで快音を連発する姿からは、早くも来季の活躍の予感を抱かせる。打者にとって厄介になる内角球を力強く捉えつつ、速球に対して力強くコンタクトしていけるところも魅力となる。球団側はこれらの要素を評価したという。

 今月8日には新外国人としてエリフレス・モンテロ内野手の獲得を発表。来季は新たに2人の外国人を新たに加えて、打線全体に厚みをもたらしていく。ファビアンとモンテロはともにドミニカ共和国出身の1998年生まれ。異国の地で互いに切磋琢磨(せっさたくま)することは、チームにとってもプラスになるはずだ。

 今季は新外国人としてレイノルズとシャイナーを獲得するも、いずれも不振に故障が重なってシーズン途中に帰国。レイノルズはわずか2試合の出場にとどまり、シャイナーも12試合で1本塁打に終わるなど機能することはできなかった。

 チーム打率はリーグワーストの・238で、52本塁打は12球団最少に終わった。投手陣を援護できない試合が続き、9月上旬まで優勝争いを繰り広げた中でBクラスに沈んだ。ファビアンが喫緊の課題である貧打解消と得点力向上に貢献することができれば、来季の覇権奪回はおのずと近づく。来季は新井カープ3年目。最重要課題である、打線強化の準備を着々と進めていく。

 ◆サンドロ・ファビアン(Sandro Fabian)1998年3月6日生まれ、26歳。ドミニカ共和国出身。180センチ、82キロ。右投げ右打ち。外野手。2014年にジャイアンツと契約し、翌15年から同国のサマーリーグでプロ初出場。22年にレンジャーズに移籍すると3シーズン(マイナー)で56本塁打をマーク。今年9月6日にメジャーデビューを果たしていた。