「明治神宮野球大会・高校の部2回戦、横浜2-0明徳義塾」(21日、神宮球場) 高校の部2試合、大学の部2試合が行われ、高校の部では横浜が2-0で明徳義塾との名門対決を制した。最速151キロの“スーパー1年生”織田翔希投手が被安打わずか2で…

 「明治神宮野球大会・高校の部2回戦、横浜2-0明徳義塾」(21日、神宮球場)

 高校の部2試合、大学の部2試合が行われ、高校の部では横浜が2-0で明徳義塾との名門対決を制した。最速151キロの“スーパー1年生”織田翔希投手が被安打わずか2で完封勝利。全国の舞台でベールを脱いだ。敦賀気比は2本の本塁打などで11-5で沖縄尚学に逆転勝利。大学の部では環太平洋大が3-0で名城大を破り、天理大は2-1で札幌大を下した。

 白球を拭い、ふぅっと息を吐く。初めて上がる神宮のマウンドでいつも以上に気合十分。「ウッ」。気迫の声とともに投じた直球で最後のアウトを奪うと、織田は笑顔で拳を突き上げた。偉大なOB・松坂大輔に憧れる1年生が堂々の全国デビューだ。

 「あまり良い状態ではなかったんですけど、バックがしっかり守ってくれるので、自分も自信満々に投げられました」

 小雨の中、泰然として腕を振った。ヤマ場は1-0の三回。1死二、三塁とピンチを招いたが、三塁手・為永が三邪飛を好捕し、タッチアップしていた三走を本塁アウトに。好守にも救われ危機をしのぐと、この回以外は二塁すら踏ませなかった。「朝の4時半に起きてキャッチボールをしたり、寒さに慣れる練習をしてきました」と対策も奏功。最速145キロの直球にスライダー、チェンジアップを巧みに交えた9回126球の完封で初戦突破に導いた。

 明徳義塾との名門対決には「負けられないなと。徹底力があって、打者もどんどん向かってくる」と印象を語った右腕。それでも「自分の投げる球に自信を持っているので、ビビらず投げきりました」と一歩も引かなかった。

 センバツを当確させた関東大会・準々決勝での公式戦初完投&初完封に続き、大舞台で結果を残し「投げきることが課題だったので、成長につながる」と納得顔。松坂を擁した1997年以来の頂点へ、頼もしい16歳がマウンドで仁王立ちする。

 ◆織田 翔希(おだ・しょうき)2008年6月3日生まれ、16歳。福岡県北九州市出身。185センチ、71キロ。右投げ右打ち。足立小1年から足立クラブで野球を始め、足立中では軟式野球部に所属。横浜では1年春からベンチ入り。憧れの投手は松坂大輔。