◆卓球世界ツアー ▽WTTファイナル 第2日(21日、福岡・北九州市立総合体育館) 女子シングルス1回戦で、2021年東京五輪混合ダブルス金メダリストで世界ランク10位の伊藤美誠(スターツ)は、同8位で好調の大藤沙月(ミキハウス)に1(13…
◆卓球世界ツアー ▽WTTファイナル 第2日(21日、福岡・北九州市立総合体育館)
女子シングルス1回戦で、2021年東京五輪混合ダブルス金メダリストで世界ランク10位の伊藤美誠(スターツ)は、同8位で好調の大藤沙月(ミキハウス)に1(13―11、10―12、5―11、11―13)3で逆転負けを喫した。10月のWTTチャンピオンズ・モンペリエで敗れたリベンジは果たせず、悔し涙もあふれた。
試合後に取材に応じた伊藤は「本当に2ゲーム目を取れなかったところが悔しかったけど、今日は前回のモンペリエのようにボコボコにやられずに自分らしい試合ができたかなと思います。大藤選手はモンペリエからそうだけど、ずっと良くて。でも今日は自分も動けていたと思うので、出し切ったからこそ、めっちゃ悔しい。本当に1点というか、本当に少しのところで差がついてしまったと思います」と言葉を振り絞った。
第1ゲーム(G)から互角に打ち合った。先に1Gを先取した伊藤が悔やむのは第2G。大藤の力強いバックハンドを返し、カウンターも浴びせた。多彩なサーブで崩し、3球目でスマッシュ。前回対戦時の反省を生かし、相手に打たせて打ち返す。軽快な動きで競り合った。先にゲームポイントを握られた中で食らいつくも、最後はラリーで大藤に押し切られた。第4Gは先にゲームカウントを握ったが、一歩下がったラリーで取られ、最後はバックハンドをストレートに打ち抜かれた。試合後、大藤と健闘をたたえ合う中で起こった客席からの拍手が、世界トップの高いレベルの一戦を物語った。
今年はパリ五輪代表権に一歩及ばなかったが、世界ランクで浮上を掲げ、再出発を切った。「いろんな思いがあった」と口を開いた。21年東京五輪で金、銀、銅と3つのメダルを獲得しするなどタイトルを積み重ねてきたからこそ、厳しい声もあった。「やっぱり周りの人たちに(力が)下がったなと思われるのが自分の中ですごくつらい。結果だけを見て、同士打ちでも負けるようになったなと思われるのがすごく悔しい。でも今日の試合を見てくれる人がいたら、おお、まだ動けているなと思ってくれたと思う。でもやっぱり結果がすべてなので」と受け止めている。
だからこそ来年は、結果でも力を示していく。伊藤は「結果で挽回したい気持ちがすごくある。見ている方にも見てくれている方にも挽回してきたな、いいな、動けているなと思ってもらえるような選手になっていきたいというのが、ちょっと前からの課題」と目標に掲げた。そして涙をぬぐうと「今日は本当に動けていたと思うので、出し切ったからこそ、めっちゃ悔しい。次は絶対に勝ちたい」と言い切って、会場を後にした。