<明治神宮大会:横浜2-0明徳義塾>◇高校の部◇2回戦◇21日◇神宮横浜・織田翔希投手(1年)が全国大会デビューを2安打完封勝利で飾った。全国へのごあいさつだ。冬の神宮で2安打完封。27年前、OB松坂大輔氏(44)も完封デビューではなかった…
<明治神宮大会:横浜2-0明徳義塾>◇高校の部◇2回戦◇21日◇神宮
横浜・織田翔希投手(1年)が全国大会デビューを2安打完封勝利で飾った。
全国へのごあいさつだ。冬の神宮で2安打完封。27年前、OB松坂大輔氏(44)も完封デビューではなかった。「投げきることを(村田)監督と約束して、それを果たすことができました」。二塁を踏ませたのはわずか1度だけ。ぴょんと軽やかに整列へ加わった。
気温11度の寒空で、この日最速145キロで丹念に四隅を突いた。外でフライを量産し、内ではゴロ。明徳義塾打線もしつこく対応してきた。「徹底力を感じました。どんどん向かってきて」。その強豪を相手に完封。「投げるボールには自信を持っているので、そこはびびらず」と言葉にはすでに風格がある。
北九州の中学軟式野球から、横浜にやって来た。08年生まれ。松坂氏はすでに海を渡ってメジャーで活躍していた時期にあたるものの、織田の高校選択の決め手になった人物でもある。「テレビとかニュースとかいろいろ見て、そこから調べたりして。自分もこの舞台で投げたいなって」。ヒーローもできなかった神宮完封で、出場が決定的になっている来春センバツにも弾みをつけた。
プロ球界も興味津々だ。西武前田チーフスカウトは「まだ(気が)早いよ」と笑いながらも「細いけれど素晴らしい素材。腕の振りもいい。松坂とは違うし、涌井とも違う。誰タイプとか抜きに、このまま順調に育ってほしいです」とこの先を楽しみにする。いつか“憧れられる”投手になるだけの存在だ。【金子真仁】