プライアー投手コーチ(左)が、来季の投手構想を明かした。(C)Getty Images 連覇が懸かる来季に向け、スター軍団の首脳陣は新たな強化プランを模索している。 現地時間11月19日、米野球専門ポッドキャスト『Foul Territor…

 

プライアー投手コーチ(左)が、来季の投手構想を明かした。(C)Getty Images

 

 連覇が懸かる来季に向け、スター軍団の首脳陣は新たな強化プランを模索している。

 現地時間11月19日、米野球専門ポッドキャスト『Foul Territory』に出演したドジャースの投手コーチであるマーク・プライアー氏は、来季に向けたチームの投手構想の一端を告白。先発ローテーションに関して6人制の本格導入を検討していることを明かした。

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「6人のローテーションは良いかもしれない。今シーズンはヤマモト(山本由伸)が日本で投げていた馴染みのある形になるように一時期そうしたんだ。それが我々の優先事項といえるものだった。彼を週に1度、もしくは少なくとも5日間休ませて、6日目で投げる形にしようとしていた」

 メジャーリーグにおいて先発ローテーションは5枚もしくは4枚となるケースが多い。中5日、中6日の登板間隔を与えるという判断は「異例」とは言わないまでも珍しいパターンではある。

 24年シーズンも幾度とか試してはいた。それはメジャー1年目で、中4日ローテに慣れていない山本由伸や、故障がちなタイラー・グラスノーの負担を考慮しての措置で、あくまで暫定的なものでしかなかった。

 しかし、「ある選手を休ませる、時々7日、8日の休みを与える、あるいは先発を飛ばすなどの細かな違いがあるが、私は(6人ローテは)実行可能だと思う」と強調するプライアーコーチは、こうも続けている。

「もしやるとすれば、ショウヘイの投手としての負担が重くならず我々に有益となるかもしれない」

 そう来季のドジャースにとって小さくない注目を集めるのは、大谷翔平の二刀流再開だ。昨年9月にキャリア2度目となる右肘の手術を行った背番号17は、レギュラーシーズン中から順調にリハビリを進め、いよいよ来年から投手として復帰する目星が立っている。

 二刀流スターの完全復活に向け、さまざまなプランを構築する中で「6人ローテ」は負担軽減のための一案ではある。ただ、本格導入のためには小さくない問題もある。2018年からチームを指導するプライアーコーチは「最大の懸念材料はそれをやるだけの十分な選手層があるかだ」と断言する。

「もし1人が故障すると、次々と影響が出てきて…」

「もし1人が故障すると、次々と影響が出てきて、他の全員が突然1か月、2か月とやってこなかった通常の間隔(中4日)で登板をしなければならなくなる。3Aにメジャーで投げる準備が整っている投手がいるのかどうか。フロントとともに計画をしっかりと立てる必要がある。

 15連戦、18連戦がある場合も6人ローテでずっとやるのか。谷間のスポットに選手を入れていくだけなのか。そして、もしやるとすれば、ブルペンでイニングを稼ぐ救援投手が1人減ることを考えて、その層も厚くしなければならない。良い点、悪い点と多くの要素がある。(野球界は)そうした傾向に向かっているようだが、投手のロースター人数を減らすような動きがあれば、これが続いていくものなのかどうかの確信をまだ持てない」

 もっとも、ドジャースは球界随一のビッグマーケットチームではある。今オフの移籍市場で選手層に厚みを持たせる補強に動く可能性は小さくない。

 すでに米メディアでさまざまな噂が噴出している。ロッテからポスティングシステムでのメジャー移籍を狙う佐々木朗希をはじめ、コービン・バーンズ、ブレイク・スネル、マックス・フリードらFA市場の人気銘柄獲得に動き出しているとも伝えられている。

 仮に大谷、山本、グラスノー、ボビー・ミラー、トニー・ゴンソリンらが居並ぶ現先発陣に、バーンズや佐々木が加われば、まさに鬼に金棒。プライアーコーチが「最大の懸念材料」と語る投手層の問題も解消され、“6人ローテプロジェクト”は一気に進むはずである。

 目下、打線強化も念頭に置いているとされるドジャースは、果たしてどのような冬を過ごすのか。昨年も移籍市場を賑わせた銀河系軍団は、やはり今オフも“主役”だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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