「広島秋季キャンプ」(20日、日南) 広島は20日、宮崎県日南市で行っていた秋季キャンプを打ち上げた。新井貴浩監督(47)は「充実した秋のキャンプになった」と総括。参加した若手選手に「オフも毎日キャンプだと思って、練習をしてもらいたい」と…

 「広島秋季キャンプ」(20日、日南)

 広島は20日、宮崎県日南市で行っていた秋季キャンプを打ち上げた。新井貴浩監督(47)は「充実した秋のキャンプになった」と総括。参加した若手選手に「オフも毎日キャンプだと思って、練習をしてもらいたい」と指令を出した。来春の1軍キャンプに若手を多く抜てきすることも示唆。競争心をあおり、チームの底上げを狙う。

 キャンプ最終日を迎えたチームをねぎらうような秋晴れの中、新井監督は選手、コーチ、スタッフら全員と笑顔でハイタッチを交わした。変革を掲げて臨んだ14日間。選手のやりきった表情を見つめながら、収穫の言葉を口にした。

 「厳しいキャンプになりました。充実した秋になったと思います」

 とにかく「量」にフォーカスした秋だった。野手陣は練習を締めくくるロングティー&連続ティーで1日1000スイングを超える日も。投手陣もブルペンで連日の投げ込みが行われた。「まずは汗をかいてもらおうと。量をこなして体に落とし込んでもらおうという意図があった」。実戦も9試合を実施。トライ&エラーを繰り返し、若鯉たちは確実に成長した。

 監督自ら指導する場面も目立った。大砲として期待される末包や2年目の内田、育成のラミレスなど、惜しみなく身ぶり手ぶりで技術を伝えた。「やらなければいけないこと、継続しなければいけないことは大体分かっているんじゃないかな。(オフに)こうやっていくんだという方向性は見えてきているんじゃないかと思います」と与えた成長へのヒントが結果として実を結ぶことに期待した。

 来季以降の飛躍へ向け、つかみかけた感覚を無駄にしてほしくはない。指揮官はオフの過ごし方の重要さを説いた。「シーズンオフにやっていたか、やっていなかったかというのは見れば分かる。どれだけ一日一日を大切にしながら過ごしていくか。オフも毎日キャンプだと思って、練習をしてもらいたい」。調整が完全に一任される冬。選手にとって、ここからが本当の勝負だ。

 そして、来春キャンプでのサバイバルも予告した。「今年より、ここにいる選手は1軍キャンプに間違いなく来ると思う」と例年以上の若手の1軍キャンプ抜てきを示唆。「新しい力を育てていかないといけない。強い選手を育てていかないといけない。これはすごく感じる」。限られた枠を奪い合う激しい競争意識が、チームの底上げにつながっていく。

 「ここに来ている若い選手が1人でも多く1軍の舞台で活躍してもらいたい。楽しみにしている」と新井監督。多くの収穫を手にし、逆襲を狙う3年目に挑んでいく。