女子バスケットボールWリーグの選手だった児玉楓さん(26)は、山梨県南アルプス市を練習場所にするバスケットボールスクール「I is I」を8月に開校させた。読み方は、「I」が三つで「アイ・スリー」。文法的には正しくないが、語感のかっこよさ…

 女子バスケットボールWリーグの選手だった児玉楓さん(26)は、山梨県南アルプス市を練習場所にするバスケットボールスクール「I is I」を8月に開校させた。読み方は、「I」が三つで「アイ・スリー」。文法的には正しくないが、語感のかっこよさにこだわり、「私は私」「さらになりたい自分になる」という意味を込めた。

 神戸市出身。母がバスケ名門高校の選手だったことから小学校2年でバスケを始め、市立尼崎高、天理大で選手生活を続けた。

 いずれでもレギュラーを射止めて活躍。高校ではWリーグ「山梨クィーンビーズ」の井上桃子主将と同学年のチームメートだった。留学した台湾では、台湾大学リーグに日本人として初出場も果たした。

 しかし、大卒後に進んだ国内女子トップのWリーグで挫折を経験する。チームの指導方針などになじめず、体調を崩すなどした末に在籍2年で退団した。

 実家に戻って数カ月の療養後、「人の可能性を広げる組織を作りたい」と引退を決意し、スクール設立を志す。

 スクール運営に向けた経験を積むため、声のかかったWリーグ所属の山梨クィーンビーズで、アシスタントコーチや広報担当スタッフを務めた後、独立した。

 「自分の経験を生かすのと、男女一緒のスクールで女子が積極的になれない例があった」。そのため、スクールの対象は小学4年~中学3年の女子に限るが、出張指導では男子も対象にする。バスケチームのスタッフ養成、人脈のある台湾も絡めた地域活性化のためのイベント開催など、事業計画は多彩だ。

 指導方針は「めっちゃ、ほめる」。バスケを入り口に、子どもたちの夢の土台を作りたい。「なりたい自分になってくれれば、それ以上、何も言うことはありません」。将来の夢は、ふるさとの神戸市に母のカフェと姉の美容サロンを併設した体育館を建て、バスケスクールを展開すること。夢がかなっても「大好きな山梨は活動の拠点として残します」という。「I is I」の詳細はホームページ(https://sites.google.com/view/iisibasket/home)で。(三宅範和)