西口監督もオフの課題に打線強化を掲げていた(C)産経新聞社 今シーズン、歴史的な低迷にあえいだ西武のオフの補強戦略が注目されている。 今季はチーム打率がリーグワーストを更新する「.212」、チーム本塁打「60」もリーグワーストと課題は打線で…

 

西口監督もオフの課題に打線強化を掲げていた(C)産経新聞社

 

 今シーズン、歴史的な低迷にあえいだ西武のオフの補強戦略が注目されている。

 今季はチーム打率がリーグワーストを更新する「.212」、チーム本塁打「60」もリーグワーストと課題は打線であることが明白となっている。

【関連記事】西武のドラフトが示す「V字回復は5年後」見えた高卒逸材を育てる意識と長期的強化プラン

 

 新任の西口文也監督もオフの補強には打線強化を打ち出していたが、このたび球団フロントは今オフのFA市場に参戦せず、外国人補強に力を入れていく方針が伝えられた。

 一方で近年の西武の外国人補強といえば、今季はヘスス・アギラ―、フランチー・コルデロの両助っ人が機能せず。2023シーズンに獲得し、打率.259、チーム2位の15本塁打、50打点を記録したデビッド・マキノンは残留とはならず、韓国リーグに流出した。

 新たな外国人選手獲得に力を入れる方針が示されたことで、現在、市場で去就が注目されている元中日のダヤン・ビシエドや、今季途中加入ながら勝負強さを示したDeNAの強打の一塁手、マイク・フォードにも注目が高まっている。 

 一方でFA戦線に参戦せずというチーム方針にはファンの間からも賛否両論の声が出ている。

 今オフのFA、野手では阪神の主砲、大山悠輔、同じく代打で存在感を示した原口文仁、楽天の内野手、茂木栄五郎がFA権行使を宣言している。

 ファンの間からも今季が残念な結果に終わったこともあり、「首位に40ゲーム差以上離されたのに、さすがに参加してほしい!」「大山選手にアプローチしてほしかった」「原口選手とかいいと思ったけど」などフロントの判断を疑問視する声も上がった。若手育成に力を入れる中、自前で育てるというプランに理解を示す声もあったが、歴史的な低迷もあり、不安がぬぐえないようだ。

 ただ今オフのチームでは新コーチ陣として巨人OBの仁志敏久氏が野手チーフ兼打撃コーチに就任、実績のある鳥越裕介氏が1軍チーフコーチを務めるなど、チーム改革の本気度が伝わるシーンもあった。

 いずれにせよ、2024年は49勝91敗(3分け)、首位のソフトバンクとは42ゲームの大差をつけられる屈辱的なシーズンとなった。どんなに劣勢になっても勝利を信じて応援にかけつけたファンを、これ以上裏切るわけにはいかない。
 
 FA封印とはいえ、今後も外国人補強、トレードや現役ドラフト、戦力外通告を受けた選手の再雇用など様々な補強手段がある。引き続き最下位から巻き返しを図る西武のチーム戦略が、注目されそうだ。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

【関連記事】2度抽選を外すも西武は上々の評価A 柴田獅子ら“スケール重視”の指名に方針転換した日ハムはどう見るべきか【24年ドラフト総括/パ・リーグ編】

【関連記事】「まれに見る弱さだった」球界OBも嘆かせた西武の低迷ぶり 指摘された「投打の誤算」「移籍組のパフォーマンス」

【関連記事】「取り組み方が甘い」――日本Sで出場機会ゼロ “ハマの黄金ルーキー”度会隆輝に飛んだ、元首位打者の厳しき言葉【独占】