11月18日、サッカー日本代表の森保一監督が19日に行われる2026FIFAワールドカップアジア最終予選の第6戦・中国戦に向けての記者会見に挑んだ。その中で、インドネシア戦(15日)でのある場面に思いを馳せた。 ここまでの最終予選において…
11月18日、サッカー日本代表の森保一監督が19日に行われる2026FIFAワールドカップアジア最終予選の第6戦・中国戦に向けての記者会見に挑んだ。その中で、インドネシア戦(15日)でのある場面に思いを馳せた。
ここまでの最終予選において、森保一監督はメンバーを固定して戦っている。何が起きるか分からない最終予選で練度を高めながら戦うためで、当然、試合に出られる選手は限られることに。それに加えて、長く用いてきた4バックも封印したことで、試合に出られなくなった選手もいる。
その一人が菅原由勢。インドネシア戦で途中出場して最終予選としては初めてピッチに立つと、自ら持ち上がって豪快なゴールを決めた。
会見で控え選手の活躍について聞かれた森保一監督は、「最終予選では選手起用において大きな変更というのはなかなか実戦しなくて5試合を戦ってきました。インドネシア戦の時に出場機会が少なかった、得られなかった選手たちを起用したのは、つねに招集した選手全員が戦力だということを選手たちには伝えていますし、起用によって選手にとっては全く満足できないような出場時間だとは思いますけど、選手たちへの信頼という意味で選手に伝わればなと思いますし、まだまだ起用されていない選手にも自分たちにはチャンスがあるということを感じてもらえれば嬉しいなと思っています」と回答。
そのうえで、「これは質問と違うかもしれないですけど……」とある場面について話し出した。
■森保一監督が「監督として嬉しいシーンでした」
それは、菅原由勢の得点後の祝福場面だ。
指揮官は、「ユキナリが得点した時、本当に出場機会を得られない選手たちの努力をチーム全体で分かっていて、そこから結果を出したことにみんなで喜ぶというシーンは非常に監督として嬉しいシーンでした」と語って、多くの選手が菅原の元に駆け寄った場面を挙げた。
菅原は後半24分にゴールを決めると、メイン側のコーナーフラッグ近辺に走って、まずは手を天に突き上げる。そして、最初に駆け寄った瀬古歩夢と谷晃生とジャンプして“集合”。その後、田中碧や伊東純也、橋岡大樹、堂安律、遠藤航、久保建英、中村敬斗らの“渦”に飲み込まれた。
菅原由勢は試合後、「最終予選が始まってから、自分自身悔しい思いを今日これまでしてきたし、今日だって、スタメンに自分の名前がなかったときはやっぱ悔しかったし、そういう気持ちは僕の原動力になっていると思うし、何回も自分に対していら立ちというか、他の人に矢印を向けそうになりそうなときもありましたけど、やっぱりサッカー選手ということで、ピッチに立って自分を証明することが、結果につながってくると思ってたので、そういった意味で今日は途中から入ったら結果を残してやろうという気持ちで入ったので、まずは結果を残せてよかったことと、それまでサポートしてくれた人たち、監督も含め選手もそうですけど、常に励ましてくれたし、僕のモチベーションを上げる言葉をくれたので、本当に全員に感謝したいです」とその気持ちを吐露していた。
中国戦は6万人もの観客が集まるとされる超アウェイゲーム。先発した11人だけでなく、ベンチメンバー、そして、ベンチ外となった4人の選手も含めて、全員の走力戦で勝利をつかみ取る。
(取材・文/中地拓也)