「大相撲九州場所・9日目」(18日、福岡国際センター) 大関豊昇龍が平幕美ノ海を上手投げで退けて1敗を守った。9日目での勝ち越しは、幕内初優勝を飾った昨年名古屋場所以来で、大関昇進後は自己最速。他の大関陣は、琴桜が欧勝馬を押し倒して1敗を…
「大相撲九州場所・9日目」(18日、福岡国際センター)
大関豊昇龍が平幕美ノ海を上手投げで退けて1敗を守った。9日目での勝ち越しは、幕内初優勝を飾った昨年名古屋場所以来で、大関昇進後は自己最速。他の大関陣は、琴桜が欧勝馬を押し倒して1敗を、大の里は小結若元春を寄り切って2敗をキープした。1敗で豊昇龍、琴桜、平幕隆の勝がトップ、2敗で大の里、平幕の阿炎、宝富士、阿武剋、尊富士が追う。
流れるようなコンビネーションで、豊昇龍が早くも勝ち越しを決めた。美ノ海をもろ手で押し込み、起こすと、間髪入れずにまわしをつかんで上手を引いた。代名詞の投げ技で完勝。好内容を「集中して取れてよかった」と、淡々と落ち着き払って振り返る様子が、今場所の充実感を漂わせる。
電光石火の上手投げ。八角理事長(元横綱北勝海)は「今場所は期待大でしょ。一番気持ちが(ある)。大関の中で」と首を縦に振った。幕内後半戦の粂川審判長(元小結琴稲妻)も「動きがいい。(場所の)前半みたいな前にもっていく相撲じゃないけど、相手に力を出させない相撲。速いね」とうなった。
中日を超えても元気だ。体が動いているのは、偶然の出合いがあったおかげかもしれない。場所前に付け人を連れて掃除機目当てに家電量販店を訪れたが、購入したのは貼るタイプの低周波治療器。今では毎日の体のケアに欠かせず、自分の手で全身の筋肉をほぐすことが今場所のルーティンになった。
9日目での勝ち越しは大関昇進後では最速。関取昇進後でも、幕内初優勝を飾った昨年の名古屋場所などに並ぶ記録だが「何回もあること。しっかり集中して、一日一番を取るだけ」と舞い上がることはない。2度目の賜杯をつかみ取る準備は、心身ともにできている。