阪神・粟井一夫球団社長(60)が18日、国内フリーエージェント(FA)権を行使した大山悠輔内野手(29)の残留を改めて願った。大山を巡っては、宿敵・巨人との争奪戦の様相。現時点で大山と、同じく国内FA権を行使した原口文仁内野手(32)も2…
阪神・粟井一夫球団社長(60)が18日、国内フリーエージェント(FA)権を行使した大山悠輔内野手(29)の残留を改めて願った。大山を巡っては、宿敵・巨人との争奪戦の様相。現時点で大山と、同じく国内FA権を行使した原口文仁内野手(32)も23日のファン感謝デーに参加予定。2人が熟考を重ねる中、球団は甲子園など球団施設の使用も認めており、これまでと変わらぬ姿勢で決断を待つ方針だ。
フリーエージェントの立場になっても、大山への思いは変わらない。秋季キャンプ打ち上げから一夜明け。粟井球団社長は「大きな方針は共有しているけど、交渉の日程や回数は聞いていない。今日(交渉を)やったという報告もない」とした上で、「もちろんチームとして先のことを考えても残ってほしい選手」と改めて残留を願った。
大山は13日に国内FA権の行使を表明し、15日から全ての球団との交渉が解禁となった。現状は宿敵・巨人との一騎打ちの様相だ。ライバルは大山に対して5年契約に1年の延長オプションを加えた最長6年の長期契約を準備しているとみられ、36歳までの事実上の“終身契約”とも言える。一方の虎も今季の推定年俸2億8000万円を大幅に上回る最長5年間、総額20億円規模の大型契約を提示したとみられる。粟井球団社長はこの日「マネーゲームをするわけではない」と語ったが、言葉だけでなく、条件面でも最大限に誠意を尽くしてきた。
大山が熟考を重ねる中、今も“虎の一員”であることも変わりはない。粟井社長は「ゴルフにも名前は入っていたし、ファン感などのイベントも予定には入っている」と話し、現時点で大山と原口は23日のファン感謝デーに参加予定だという。FA選手の参加は本人の意思に委ねられており、過去には海外FA権を行使した鳥谷(14年)と、国内FA権を行使した大和(17年)は不参加だった。大山と原口はFA権行使を表明した際に、ファンへの感謝を述べており、再び満員の甲子園に立つ可能性は高そうだ。
もちろん今後の球団主催のゴルフコンペや行事の参加も大歓迎で、練習環境のサポートも惜しまない。この日、大山は午前中に甲子園のクラブハウスを訪れたもよう。粟井社長は「トレーニングなどで球団施設を使用するのは何の問題もない」とオープンな姿勢を強調した。
球団は同時進行で来季への準備も進めている。新外国人候補として、前エンゼルスの日系3世、ケストン・ヒウラ内野手(28)をリストアップ。メジャー通算50本塁打の実績を持ち、一塁を守る。さらに今季限りでDeNAを戦力外となった楠本泰史外野手(29)との契約合意も明らかになっている。藤川新体制の下、V奪回へ戦力整備を進める中、大山残留となれば、戦力は一層の厚みを増す。本人の意思を尊重しつつ、決断の時を待つ。