阪神からドラフト2位指名を受けた今朝丸裕喜投手(18)=報徳学園=が17日、大阪市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金6000万円、年俸720万円で仮契約を結んだ。藤川球児監督(44)の“火の玉ストレート”を理想の直球に掲げた上で、変化球の…

 阪神からドラフト2位指名を受けた今朝丸裕喜投手(18)=報徳学園=が17日、大阪市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金6000万円、年俸720万円で仮契約を結んだ。藤川球児監督(44)の“火の玉ストレート”を理想の直球に掲げた上で、変化球の精度向上も宣言し、米大リーグ・メッツの千賀滉大投手(31)の代名詞である“お化けフォーク”の習得にも意欲を示した。最強のコンビネーションを身につけ、200勝投手への挑戦を始める。(金額は推定)

 金びょうぶを背負って抱負を語る大型右腕が、“無敵のハイブリッド”を思い描いた。藤川阪神でプロ生活をスタートさせる今朝丸。「持ち味はストレート」を自負しており、「目標にしているのは藤川監督の火の玉ストレート。しっかり磨きをかけていこうと思っています」と直球へ込める思いを吐露した。

 平均球速は143~4キロで、最速は151キロ。「MAXももちろん上げていきたいんですけど、平均球速の方が自分自身は上げていきたい。150前半くらいまでは放れたら」。身長187センチ、体重77キロと線は細いが、おにぎりを主とした5回の間食で肉体改造に取り組んでいる。“プロの体”を作り上げて、直球の威力へとつなげる心積もりだ。

 もちろん厳しいプロの世界で、直球だけで戦えると過信することはない。スライダーやフォークを操るが、変化球の精度も今後の課題。憧れの虎戦士には才木を挙げ、プレミア12での力投をチェック。「球種とかもだいたい一緒なので、自分の球種と比べてみると、全然質が違う」と一流との差を痛感した。

 「変化球で自信があるのはフォーク。もっと精度を上げてやっていけば、打たれないんじゃないかな」。キレと落差を併せ持つ決め球へと改善を進める中で、「理想のフォークは千賀投手」と目標設定。藤川監督の直球と千賀のフォーク、二つの魔球を掛け合わせた“火の玉お化け”の投球術こそが、目指すべき最強スタイルとなる。

 用意された色紙には、漢字表記をモチーフにしたサインとともに、「200勝投手」と壮大な夢を書き込んだ18歳。「まずそこまでに、しっかり1軍に呼ばれる選手になりたいと思ってます。一日でも早く上の選手たちと野球ができるように頑張りたいと思います」。プロ野球史にその名を刻み込むためにも、着実に一歩ずつステップを重ねていく。

 ◆今朝丸裕喜(けさまる・ゆうき)2006年6月2日生まれ、18歳。神戸市出身。187センチ、77キロ。右投げ右打ち。投手。報徳学園から24年度ドラフトで阪神から2位指名。報徳学園では1年秋からメンバー入り。2年春から2年連続センバツ準Vを経験。趣味は寝ること。好きな食べ物はラーメン。