「ラグザス presents WBSCプレミア12・1次リーグB組、台湾代表1-3日本代表」(16日、台北ドーム) 台北ドームなどで1次リーグB組が行われ、日本代表は台湾代表に3-1で勝利し、3連勝を飾った。阪神・才木浩人投手(26)が5…

 「ラグザス presents WBSCプレミア12・1次リーグB組、台湾代表1-3日本代表」(16日、台北ドーム)

 台北ドームなどで1次リーグB組が行われ、日本代表は台湾代表に3-1で勝利し、3連勝を飾った。阪神・才木浩人投手(26)が5回2/3を3安打無失点の好投。打っては阪神・森下翔太外野手(24)が初回に3試合連続打点となる先制の右犠飛を放つなど、阪神勢がチームをけん引した。17日のキューバ戦に勝つと2位以内が確定し、2次リーグ進出が決まる。

 才木が世界でも通用することを証明した。完全アウェーにも負けず、自分の投球を展開。「すごい応援があったんですけど、楽しんで投げられました」。虎の若きエースが大仕事を遂げ、2次リーグ進出に王手をかけた。

 球場は異様な雰囲気だった。試合開始前から台湾応援団の美爆音は鳴りやまず。「思ったよりすごかったですね」。投球中には音楽が流れ、曲に合わせて360度から大合唱。甲子園の阪神ファンを超えるほどの声量にも狂わされなかった。

 初回は2死一塁から4番の潘傑楷をフォークで空振り三振。二回は先頭に左前打を許したが、後続を片付けた。三回は三者凡退。四回は2奪三振で三者凡退とギアも上がっていった。六回に2死一、二塁としたところで降板。「鈴木昭汰に嫌な場面でつないでしまった」と悔しさをにじませたが役割は果たした。

 5回2/3を3安打無失点。主要国際大会(五輪、WBC、プレミア12)で阪神の投手が白星を挙げるのは初の快挙。井端監督は「ゼロで抑えて帰ってきてくれて良かった。次も期待したい」と全幅の信頼を寄せた。

 環境の変化にも惑わされなかった。14日は試合もなく、観光や食事の時間もあった。牧は焼き肉、大勢らは台湾料理を食べに行ったが、才木は「ホテル飯っす」と白米中心のメニューを堪能。この落ち着きこそが、右腕の持ち味でもある。

 初物相手にも動じなかった。シーズン中から対戦相手のデータは頭に入れない。確認するのは球種の空振り率など自身の数値だけ。「先入観を入れたくない。データはデータだから」。日頃のルーティンを国際舞台で生かし、初対戦を「自分のスタイルでいける。気楽」と言い切った。

 チームは無傷の3連勝で17日のキューバ戦に勝利すれば、2次リーグ進出が決まる。「勢いに乗っているので、残り2試合もいい雰囲気で戦っていく」。SAIKIで王手。虎の侍戦士が世界で輝きを放っている。

 ◆阪神投手が初星! 国際主要3大会(五輪、WBC、プレミア12)で日本代表に招集された阪神投手の白星は才木が初。また、先発した阪神投手は13年の第3回WBCでの能見篤史以来、2人目。この時の能見は2次ラウンドの台湾戦で先発して2回2/3を2失点で勝敗なしだった。