◆2026年北中米W杯アジア最終予選 第5戦 インドネシア0―4日本(15日、インドネシア・ジャカルタ) 豪雨でぬかるんだ長い芝のピッチをものともせず、南野が爆走した。1―0の前半40分に三笘が左でパスを受けた瞬間、2列目後方から快足でニア…

◆2026年北中米W杯アジア最終予選 第5戦 インドネシア0―4日本(15日、インドネシア・ジャカルタ)

 豪雨でぬかるんだ長い芝のピッチをものともせず、南野が爆走した。1―0の前半40分に三笘が左でパスを受けた瞬間、2列目後方から快足でニアサイドへ。ドンピシャのクロスに左足を強振し、左ポストをたたいて豪快にゴールへ突き刺した。「(三笘)薫がいいタイミングでボールをくれたので、思い切ってシュートを打って、決まってよかった」。2得点した9月の中国戦に続く今最終予選3点目に笑顔がはじけた。

 また1つ、記録を刻んだ。代表通算24点目で元日本代表MF中村俊輔に並んだ。「偉大なレジェンドに並べてうれしい」。所属するモナコでは10月22日の欧州CL・レッドスター(セルビア)戦で2得点し、C大阪下部組織時代から憧れてきた同MF香川真司の日本人最多に並ぶ通算4得点をマーク。日本代表で自身も背負った背番号10の先輩2人と肩を並べた。

 磨き上げた「走力」が得点を生んだ。2年前の夏に移籍したモナコでは攻守で90分間走りきる体を追求し、動きのキレを増す練習に励んだ。高強度ラン(時速25~30キロ)で毎試合800メートル以上走り、チームで常にトップクラスに進化した。この日も「ゴール前の仕事を意識してプレーした」と後方から約20メートルを猛スピードで走って敵をぶっちぎり、FW小川を追い越してフィニッシュ。南野らしさが凝縮した一発だった。

 前回22年カタールW杯の2次予選は7戦連続得点と異彩を放ったが、最終予選は負傷の影響もあり、出場8戦でわずか1得点。本大会も決勝トーナメント1回戦・クロアチア戦のPK戦で志願した1人目でシュートを防がれ「生きてきた中で最悪の日」とうなだれた。

 「悔しさをぶつけたい」。悪夢を振り払うべく臨んだ今予選は全5戦に先発。久保が控えるシャドー(2列目)で南野の存在は絶対的だ。「次も自分のゴールで貢献できれば」。自身20代ラストの代表戦となる19日・中国戦でも走り、ゴールを奪いきる。(星野 浩司)