柳川はプロ3年目にして、大きく飛躍を示した(C)産経新聞社 2年連続最下位から今季2位フィニッシュと大躍進を遂げた日本ハム。快進撃の裏には、様々な選手の活躍があった。今回は、シーズン中にチームのピンチを救った、新守護神候補にスポットを当てる…

 

柳川はプロ3年目にして、大きく飛躍を示した(C)産経新聞社

 

 2年連続最下位から今季2位フィニッシュと大躍進を遂げた日本ハム。快進撃の裏には、様々な選手の活躍があった。今回は、シーズン中にチームのピンチを救った、新守護神候補にスポットを当てる。

【関連記事】【日本ハム】現れたガッツマン 近年固定できていなかった遊撃レギュラーへ 「期待しているよ!」

 2021年、九州国際大付高から育成3位で入団した柳川大晟、191cmの長身から投げ下ろす最速157キロの速球が武器の右腕は5月10日に支配下登録され、背番号も123から95に変更された。

 支配下登録後すぐの5月26日の楽天戦でプロ初登板初先発。ファームでは好成績を残していただけに期待されたものの、3回65球を投げ3安打3失点。制球にも苦しみ、ほろ苦デビューとなった。

 再びファームで中継ぎとして調整を重ね、7月16日に再登録されると、存在感を発揮したのは8月に入ってから。守護神を務めていた田中正義が不調のため6日に登録を抹消。大事な夏場の戦いにおいて、新守護神を誰が担うのかが注目されたが、新庄剛志監督が抜擢したのは、守護神経験のない柳川だった。

 守護神として最初の登板となったのは8月7日の楽天戦(楽天モバイル)。2点リードの9回にマウンドに上がると、1安打無失点と最後を締め、プロ初セーブを記録した。

 緊張の舞台を乗り越えると、その後、右腕は快進撃を続ける。初セーブ翌日の8日のゲームでも2夜連続でセーブを記録すると、8月中のゲームではセーブシチュエーションで失敗なしの「8セーブ」を記録と勝利に貢献。身長191センチの高身長から繰り出される150キロ超の角度ある直球とフォーク、カットボールのコンビネーションでパ・リーグの強打者を封じていった。

 しびれる戦いをチームが続けていた9月も6日のオリックス戦(エスコン)では同点の9回にマウンドに上がると、打者3人を三者凡退に抑え、その裏のサヨナラ勝利につなげた。柳川にとっては、この試合でプロ初勝利を手にした。

 その後は、本来の守護神であった田中正義が再びゲーム終盤を任せられたが、何といっても苦しい夏場を支えた若き右腕の快投がなければ、シーズン2位も達成できなかった。またその素質を見抜いた新庄監督の慧眼も改めて、評価されている。今季は21試合に登板し、1勝3敗、8セーブを記録。

 飛躍の年となった今季の経験を活かし、プロ4年目シーズンの来季はいよいよ本格覚醒なるか。チームに現れた若き剛腕の再びの快投をファンも楽しみにしている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

【関連記事】【日本ハム】実ったコンバート シーズン2位の立役者となった26歳捕手の活躍「来てくれてありがとう」

【関連記事】【日本ハム】今季現れたシンデレラボーイ 1軍出場なしから大ブレイクを果たした23歳外野手の来季に期待「ロマンしか感じない」

【関連記事】【日本ハム】清宮幸太郎が3割フィニッシュの陰で…覚醒待たれる「もう一人のロマン砲」