広島ドラフト3位の岡本駿投手(22)=甲南大=が14日、兵庫県芦屋市内のホテルで入団交渉を行い、契約金5000万円、年俸1000万円で仮契約した(金額は推定)。プロで対戦したい打者に同姓の巨人・岡本和を挙げた右腕。同じ阪神大学リーグの先輩…
広島ドラフト3位の岡本駿投手(22)=甲南大=が14日、兵庫県芦屋市内のホテルで入団交渉を行い、契約金5000万円、年俸1000万円で仮契約した(金額は推定)。プロで対戦したい打者に同姓の巨人・岡本和を挙げた右腕。同じ阪神大学リーグの先輩にあたる巨人・大勢にも刺激を受けたという。“岡本和斬り”で、大勢ばりの出世ロードを歩む。
仮契約を終えた岡本は使命感を増幅させた。これから飛び込むプロの世界に向け、自然と胸が高鳴る。「自分ではもらったことのない金額。その期待に応えられる活躍をしたい」と誓いを新たにした。
最高峰の舞台で、真剣勝負を繰り広げるイメージはできている。対戦したい打者を問われると「巨人の岡本和真選手と、対戦してみたいです。球界を代表する打者ですし、名字も同じで。どのコースでもどの変化球でもミートしてくる素晴らしい打者だと思います」と印象を語った。
くしくもこの日、仮契約交渉を行ったホテルは巨人が関西遠征時に長く利用する定宿。岡本自身、大学時代は強打者との対戦前には抜かりなく対策を練ってきたという。「しっかり相手の情報を調べ、徹底的に対策して準備していくことを心がけています」。プロの世界でもその積み重ねで敵軍の主砲との勝負を制していく構えだ。そしてもう一人、巨人の選手で意識する先輩がいる。
甲南大が加盟するのは阪神大学リーグ。自身が大学1年時、同じリーグの関西国際大には4年生の巨人・大勢がいた。関西国際大と大体大の春のリーグ戦をスタンドで観戦。「ものすごく球が速くて。右打者のインコースにフォーク、スライダーを投げていて、相手打者は全然手が出ていなかった印象がある。すごいたくさんの方が見に来ていて、これが有名な選手なのかと」と当時の記憶を鮮明に思い返した。
大学時代は決して目玉選手ではなかった大勢は今や、現在行われているプレミア12に選出され侍ジャパンの守護神を務めている。「(自分も)しっかり成績を残して日本を背負える投手になりたい」と岡本。自チームで活躍を続け、大勢のような“大出世”を果たす目標を掲げた。
最速149キロの直球に加えて、カットボールとチェンジアップも武器。本格的な投手転向は大学1年秋からで、わずか3年足らずでプロ入りを実現させた。契約金の使い道には「(大学の)監督がいつも練習中、寒いと言っているので囲いを作ってあげたい」と母校のグラウンド設備を充実させて恩返しを果たす。「チームに欠かせない投手になるのが目標です」。大志を抱く若武者のサクセスストーリーが、広島の地から幕を開ける。
◆岡本駿(おかもと・しゅん)2002年6月12日生まれ、22歳。徳島県出身。186センチ、80キロ。右投げ左打ち。投手。城南、甲南大を経て24年度ドラフト3位で広島から指名。最速149キロの直球が武器。チェンジアップにも自信。高校時代は内野手。大学から投手を本格的に始めており伸びしろ十分。