「阪神秋季キャンプ」(14日、安芸) 阪神の藤川球児監督(44)が14日、佐藤輝明内野手(25)の取り組みに太鼓判を押した。3日ぶりのランチ特打で4連発を含む47スイング中16発を放った主砲について「進んでいく方向は理解している」と信頼を…
「阪神秋季キャンプ」(14日、安芸)
阪神の藤川球児監督(44)が14日、佐藤輝明内野手(25)の取り組みに太鼓判を押した。3日ぶりのランチ特打で4連発を含む47スイング中16発を放った主砲について「進んでいく方向は理解している」と信頼を寄せ、「現役が終わるまでやり続けないといけない」と向上心の必要性を強調した。
晴れ渡った安芸の空に白球が伸びていく。佐藤輝の豪快な打撃を、サングラス姿の藤川監督は打撃ケージの後方から見守った。11日以来のランチ特打。47スイングで16本の柵越えを量産した。右翼防球ネットの最上部に放り込むと、続けて右翼、右翼、中堅と圧巻の4連発。3連発もあった。バックスクリーン越えの一発には観客席からどよめきと拍手が起こった。
柵越え16本中13本が中堅から左方向だった。秋季キャンプで佐藤輝が意識している通りの打球が、結果として表れた。「今の進み方を打撃コーチも自分も聞いている。彼が進んでいく方向は理解している」。藤川監督も主砲の取り組みに納得し、太鼓判を押した。
秋季練習初日の先月22日。藤川監督は「しっかり姿勢を見せていこう」と佐藤輝に名指しでゲキを飛ばした。新体制の中心として期待を寄せるからこその言葉だった。秋季キャンプにも2年ぶりに帯同させ、佐藤輝の「姿勢」を見つめてきた。
打撃だけでなく、課題の守備にも熱心に取り組んでいた。「ノックを受けても、スローイングは安定している」と指揮官は目を細めた。没頭する背番号8の姿は十分に満足のいくものだった。
その上で、飽くなき研さんを求めた。「取り組んでいることがゲームになればまた削られていくと思うが、現役が終わるまでやり続けないといけない。何歳まで現役をするか分からないけど、それがプロ野球選手。『できたからもういいや』となっていると一瞬で終わる。ボール一つを捕って投げることにも貪欲であるべき」。好不調の波は必ず訪れる。試行錯誤の日々は宿命だと説いた。
「見た感じのことを言ってくれる。『いい感じじゃないか』と言われたのでそれでいいかな。いい当たりを打てたので感触は良かった」。佐藤輝は指揮官の期待を一身に受け止め、自信を深めた。未完の大砲は秋を経て、着実に変貌を遂げようとしている。