「12球団合同トライアウト」(14日、ZOZOマリンスタジアム) プロ野球で戦力外となった選手らを対象とした12球団合同トライアウトが14日、千葉市のZOZOマリンスタジアムで行われ、45人が参加した。実戦形式のシート打撃では元ロッテの島…

 「12球団合同トライアウト」(14日、ZOZOマリンスタジアム)

 プロ野球で戦力外となった選手らを対象とした12球団合同トライアウトが14日、千葉市のZOZOマリンスタジアムで行われ、45人が参加した。実戦形式のシート打撃では元ロッテの島孝明投手(26)が、自身5年ぶりのマウンドで最速151キロを計測。かつての本拠地で、ブランクを感じさせない剛速球を披露した。

 驚きの光景だった。プロの舞台から退いて5年。それ以来マウンドから遠ざかっていた右腕が150キロ超えの直球を連発。四球とヒットを浴びる結果だったが「びっくりです。練習でも145キロがMAXだったので、ここまで出るとは」と白い歯をこぼした。

 島は異色の経歴の持ち主だ。高卒3年目の19年にロッテを戦力外となり、翌20年から国学大の人間開発学部に入学。スポーツの動作解析を専攻すると、卒業した今春からは慶大の大学院に進学した。現在も授業と研究の日々で、アナリストとして社会人野球日本代表にも帯同している。

 大学4年間は野球から遠ざかっていたが、今年に入って友人の動作解析を手伝うと同時に投球を再開。慶大の硬式野球部員相手にボールを投げた。そして、今年でトライアウトが終わるという情報を耳にし「最後のチャンスにチャレンジしたいと思った」と受検を決意。引退後、タンスの奥にしまっていたユニホームを引っ張り出した。

 久々のマウンドは「すごい緊張した」と話したが、それを感じさせない堂々の投球。「力の出しやすい角度とかがあるので、フォームに応用した。生きた感覚がありますね」と知識を最大限に活用した。

 今後について「条件とかビジョンで考えたい」とオファーがあれば、NPB、社会人などで野球を本格的に再開したい考えを示した島。自身の野球人生に、もうひと花咲かせるべく吉報を待つ。