「日本ハム秋季練習」(14日、鎌ケ谷スタジアム) 左翼ポールその左側の遥か上空を通過した特大ファウルが、悲劇を呼んだ。日本ハムの秋季練習が14日、鎌ケ谷スタジアムで行われ、23年度ドラフト4位の明瀬諒介内野手(19)の放った大ファウルが左…
「日本ハム秋季練習」(14日、鎌ケ谷スタジアム)
左翼ポールその左側の遥か上空を通過した特大ファウルが、悲劇を呼んだ。日本ハムの秋季練習が14日、鎌ケ谷スタジアムで行われ、23年度ドラフト4位の明瀬諒介内野手(19)の放った大ファウルが左翼場外にある選手寮・勇翔寮の正面に停めていた森本稀哲外野守備走塁コーチ(43)の、昨年購入した車のフロントガラスを直撃。次代を担う大砲のパワーを証明する一撃で、蜘蛛(くも)の巣状に大きく亀裂が入った。
高校通算49本塁打を放った明瀬が、プロ1年の成長の跡をフロントガラスに刻んだ。着弾と同時に響いた破壊音。「音が聞こえたので…」。車を直撃したことを確信し、神妙な表情を見せた。
グラウンドにいた森本コーチも、打球方向と音で把握していた。練習後に惨状を確認。「うそだろー?これー!!」と絶叫。「嫁さんのだし。これ」とスマホのカメラに収めて夫人に報告した。
「油断していたんですよ」と森本コーチ。勇翔寮南東側に停めれば、打球直撃による破損の場合補償が出るが、正面では出ない。それでも正面に停めたのは「ジェッシー(水谷)もマンチュー(万波)もいない。モーレ(レイエス)もグワチョ(マルティネス)もいないと思ったから」
右の大砲はいない。直撃はないはず。が、有薗の打球はワンバウンドしてボンネットへ。明瀬はフロントガラスを破壊。「育ってきていましたね。マンチュー、ジェッシーの後釜が。うれしい悲鳴ですよ。これは。思ったより振れていました」。予想を超えた飛距離。喜びながら、悲しんだ。
明瀬は「あとで謝っておきます」とぽつり。入団時88キロだった体重も今や96キロ。このオフは下半身始動の打撃フォームのマスターと、ウエートトレでさらなる飛距離アップに励む。「プロの真っすぐを捉えられるようにしたい」と誓う。
「こんなところに当てている場合じゃないですよ。看板に当ててもらわないと」。“被害者”森本コーチの目尻は下がる。フロントガラスに刻まれた若き選手の成長を喜んだ。
◆明瀬 諒介(みょうせ りょうすけ)2005年8月25日生まれ、19歳。大阪府出身。183センチ、87キロ。右投げ右打ち。内野手。鹿児島城西から23年度ドラフト4位で日本ハム入団。1軍出場なし。24年はイースタン47試合で打率・170、2本塁打、10打点。