冬の足音が近づく中で、札幌東白石中の柔道部が熱い。10月の札幌市中体連新人大会で女子が団体優勝、男子が団体3位。個人戦でも女子57キロ級で高山結衣さん(2年)が優勝するなど、表彰台をにぎわせた。6月に2000年シドニー五輪男子100キロ級…
冬の足音が近づく中で、札幌東白石中の柔道部が熱い。10月の札幌市中体連新人大会で女子が団体優勝、男子が団体3位。個人戦でも女子57キロ級で高山結衣さん(2年)が優勝するなど、表彰台をにぎわせた。6月に2000年シドニー五輪男子100キロ級金メダリストの井上康生氏(46)から技術指導を受けた経験も生かし、飛躍を目指している。
3年生が抜けても、1~2年生だけで男女33人の大所帯。週末には他校も合同練習に訪れ、約120畳の広さを誇る武道場が狭く感じるほど活気にあふれる。10月の札幌市中体連新人大会で女子は団体5連覇を達成。個人戦でも高山さんの優勝を筆頭に7人が表彰台に立った。男子は団体3位で、個人戦は3人が表彰台。飛躍へのステップを踏んだ勢いが見て取れた。
道中体連柔道専門委員長でもある小野薫監督(36)は「チャレンジ」をスローガンに掲げ、「明るく楽しく、できないことをできるようにする」との方針で指導してきた。ほとんどの選手は中学から競技を始めたばかりだが、遊びの要素も取り入れるなど多角的な練習で一歩ずつ成長。3年生は今夏の全道大会(女子団体)準優勝で全国に進出し、大きな刺激を受けた後輩たちの目線も高みへ向いた。
今年6月には、講演のために同校を訪れた井上氏から柔道の技術指導を受けた。井上氏といえば内またが伝家の宝刀。高山さんは「内またの練習方法を教わって、新人大会では2度も一本を奪えた」という。メンタルが課題だった春日姫奈さん(2年)は「どんな強い選手でも緊張はする」という言葉で試合前の不安が軽減。「強い気持ちで戦えた」と団体Vに貢献した。
少子化や指導者不足で中体連の登録者数が減少する中でも興隆に陰りはない。角田惺哉主将(2年)は「みんなフレンドリーで練習も楽しい。男女で切磋琢磨(せっさたくま)しながら、まずは全道大会、そこから全国につながれば」と意気込んでいる。
(石井 睦)